緑泥の茶壺/(数寄)
- 2017/05/20(Sat) -
 数年前から常々、緑泥の茶壺が欲しいと思っていたのだが、なかなか手に入れる機会が無かった。

 そんな折、親しい人から茶器のセットをいただき、それがなんと緑泥の茶壺であった。

 そこでさっそく、茶を淹れる準備にとりかかる。

 まずは、流水にさらしながら、ブラシで茶壺を丁寧に洗う。

 その後、茶壺を鍋に入れて煮る。これは、茶壺の汚れや油分を取り去るためであり、新品の茶器を最初に使う際には欠かせないことだ。

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 30分ほどとろ火で煮たあと荒熱をとり、水気をふき取り、準備は完了。

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 晩酌の後、この茶壺で、とっておきの凍頂烏龍茶を淹れる。

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 抹茶もいいが、中国茶も実にいい。

 静かな初夏の夜、時がゆっくりと過ぎてゆく。



「宋の詩人李仲光は、世に最も悲しむべきことが三つあると嘆じた、すなわち誤れる教育のために立派な青年をそこなうもの、鑑賞の俗悪なために名画の価値を減ずるもの、手ぎわの悪いために立派なお茶を全く浪費するものこれである」(『茶の本』岡倉天心)

 (おしまい)
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黒織部/(数寄)
- 2016/06/22(Wed) -
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 先日、母の遺品整理の際に出てきた黒織部の筒茶碗。

 以前、誕生日のお祝いとして私が贈ったものだが、結局、こちらの手元に戻ってきてしまった。

 筒茶碗は本来、冬に使うべきものだが、今晩はこの茶碗で一服喫してみよう。


 お茶といえば、茶道の古典のひとつである『山上宗二記』は、戦国の世を生きた茶人の息吹を、たいへんヴィヴィットに伝える名著であり、常日ごろから愛読している一冊である。

 その中に、こんな一節がある。

「人間は六十定命と雖も、その内、身の盛んなる事は二十年なり。茶湯に不断、身を染むるさえ、いずれの道にも上手は無きに、彼是に心を懸くれば、悉く下手の名を取るべし」

 文中の「茶湯」の部分を「武芸」に置き換えると、天命の歳を目の前にした市井の武術・武道人としては、なんとも身につまされるものがある。

 ま、下手は下手なりに、武芸に不断、身を染めていくしかあるまいね。

 (了)
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鮎の季節/(数寄)
- 2016/06/07(Tue) -
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 夜、一服。

 棗のふたの裏に鮎がいた・・・・・・。


 そういえば、伊豆・狩野川の鮎釣りは、6月から解禁。

 ということは、大仁の「鮎茶屋」で、背ごしや洗いが味わえる季節になったのか。

 鮎茶屋
 http://r.gnavi.co.jp/rbx88ydp0000/

 仕事柄、日本全国いろんなところで鮎を食べたが、やはり我がふるさと伊豆の鮎が一番だ。

 そして、この「鮎茶屋」のうるかは、天下一品である。

 もちろん、塩焼きや鮎飯も、まったく臭味や雑味のない本当の香魚が味わえる。

 思うにベタな観光地で、泥臭い上に焼き置きすぎでカピカピになった鮎の塩焼きしか食べたことのない人に、この店で本物の鮎の塩焼きを食べさせてあげたいものだ。

 ああ、しっかりした味わいの純米酒とともに、翠嵐をいっぱいにあびた初夏の鮎を、思うさま食いたいねえ。

 (おしまい)
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冬茶碗/(数寄)
- 2014/11/18(Tue) -
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 もとより茶の湯の心得などまったく無いのだけれど、日々の暮らしの中、気分転換に抹茶を楽しんでいる。

 前回のブログに書いたとおり、最近炭火型電熱器を手に入れたので、湯をかけておけば自室でいつでも簡単に茶を淹れて飲めるようになり、たいへん重宝している。


 いよいよ寒くなってきたので、今日は茶碗も冬向けに雲鶴青磁の塩笥茶碗にした。

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 青磁のなかでも、象嵌で鶴と雲を描いた雲鶴青磁は、その意匠の素朴さが魅力だ。

 「雨過天晴 雲破処」と評されるコバルトブルーの青磁や、「千峰の翠色を奪い得て来る」とうたわれ秘色と呼ばれたオリーブグリーンの青磁も私は大好きなのだが、この雲鶴青磁のような飾り気のない素朴な物も実に魅力的だ。

 ある種、土俗的な、その造形美に惹かれるのである。

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 原稿書きの合間に、あるいは日々の稽古の後に、手前勝手に一服の茶をいただく。

 閑静な時が、心地よい。

 (了)
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寒さ支度/(数寄)
- 2014/11/16(Sun) -
 朝晩の冷え込みが厳しくなり、いよいよ季節は晩秋から初冬に移り変わろうとしている。

 例年、冬の暖房は仕事場はガスファンヒーター、自室はエアコンなのだけれど、できれば自室用に火鉢がほしいなあと思っていた。

 しかし、私は平素からだらしのない酔っ払いなので、自室で酩酊してそのまま意識を失ってしまうことも少なくない。このため火鉢で炭火などを使っていると、一酸化炭素中毒でそのまま彼岸に旅立ちかねない・・・。

 そこで、この冬の暖房用兼、加湿器兼、晩酌用に購入したのが、これだ!

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▲電源コードが昭和時代の電気炬燵を彷彿とさせる


 知る人ぞ知る、「野々田式炭型電熱器」である。 

 茶道に使う電熱器タイプの風炉なのだが、新品で買うとべらぼうにエクスペンシブなので、ヤフオクで出物を探して購入した。

 これならば一酸化炭素中毒の心配はない。おまけに炭火に比べて、使い勝手も楽チンだ。スイッチひとつで、電源オンである。

 ちょうど加湿器が昨冬に壊れてしまったのだが、こいつにお湯を沸かした薬缶(本当は鉄瓶といきたいところだが・・・)をかけておけば湿式の加湿器になる。

 暖房器具としてはいささか心もとないが、加湿をすると部屋の温度も上がるし、湯気に手をかざせば昔の手あぶり代わりになる。

 晩酌の際には、湯豆腐や小鍋だての鉄鍋を据えるにもちょうどよかろう。

 
 さて、この冬はこいつを活用して、できるだけエアコンは使わずにいようと思うのだが、果たしてどこまで耐えられることやら。その分、熱燗の消費量も増大しそうで、それはそれで問題ありな気もしないではない・・・。

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▲炭型電熱器の使用例(笑)

 (おしまい)
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