閑夜妄言/(身辺雑記)
- 2011/03/26(Sat) -
無明庵 梅の間
http://www.mumyouan.com/k/umenoma.html

 一向に収集しない、原発事故について、上記、鈴木崩残氏による指摘は、そのすべてに同意するかしないかは別としても、今このとき一読の価値があると思う。


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 先週、先々週と、震災の結果として、翠月庵も稽古をお休みしてきたが、明日から再開する予定だ。

 心情的には、こんな時節の中で、ノンキに手裏剣を打ち、ヤットウの稽古というものでもないのかしれないが、武芸者などというのは、こういうときにはクソの役にもたたない存在なのである。

 だからせめてできるのは、可能なかぎり平生通り、粛々と稽古を続けること、それだけだろう。


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 本日、取材で訪れた栃木県にある大学病院。

 ロビーの掲示板には、原発事故に伴う放射性物質による健康被害などについて、大きく掲示されていた。

 とにかく連日、大マスコミが煽るだけに、報道の一部分だけを聞いた人が不安になるのもしかたがあるまいと思う。

 ただ、1つだけ。

 テレビやラジオのニュースにしても、新聞や雑誌、ネットの記事にしても、一文やワンフレーズ、一言に反応してパニックになるのは本当にやめてもらいたい。

 日本語は主語プラス述語で構成されているので、結論は一般的に文末にくる。

 たとえば、

 「水道水から放射能検出!!  しかし、健康被害の心配はなし
 「都内のスーパーで品切れ続出!  ただし、買占めなければ物資は十分にあるとメーカーは自信

 など。

 これらを読んだり聞いたりして、「水道水から放射能検出!」の部分で脊髄反射を起こしてしまうから、報道からわずか2時間で、都内のスーパーからミネラルウォーターが、完全に姿を消してしまうわけだ。

 ことに一昨日、東京都では乳児の水道水の摂取を一時的にやめるよう勧告した(昨日解除済!)。

 一方で、児童や大人については、問題ないこと。また乳児の場合でも、長期的に摂取しないかぎり問題ないので、やむをえない場合は、水道水の摂取も可とした。

 なぜなら、現状の放射線の値と、脱水のリスクをはかりにかければ、乳児にとっては脱水の方がはるかに生命にとって危険だからである。

 こういう状態にもかかわらず、バカな大人がこぞって水を買い込んだものだから、最も必要としている乳児や妊婦に、安全な水が行き渡らないという悲劇が展開したわけだ。

 私は2週間ほど前に甥っ子が生まれたばかりで、しかも彼らは都内に住んでいるのものだから、今回の水の買占めには、たいへん憤りを感じている。

 とりあえず大人は、水道の水を飲め。


 この水道水汚染にともなう水の買占めだけでなく、震災直後から始まった東京や埼玉など首都圏の、しかも直接震災の被害を受けなかった地域での食料品や電池、衛生用品の買い占め騒ぎには、日本人の資質について幻滅するばかりである。

 震災後、復興支援のための美談が多い中、こういうことを書くのもなんだが、首都圏の買占め騒動を見ていると、人々の御身可愛さ第一の利己主義のオーラが全開だ。

 1日たった3時間しか停電しない地域、あるいは21区のようにまったく停電しない地域で、コンビニから電気店、量販店に至るまで、すべての店でまる2週間、単1~単3まで、まったく乾電池が買えなかったとはどういうことか?

 もちろん、被災地への優先的な物流で品薄になったということもあるだろうが、それ以前の在庫もすべて震災翌日にははけてしまい、挙句の果てには、アマゾンで単2が2本で6000円とかいう、人間のクズのような悪徳商人がわき出す始末。

 地震の直後、あわてて大量に買い込んだ電池を、その人たちはこれから、何年かけて使っていくのやら・・・。

 ちなみに、うちの近所では、今日、やっと単3電池が入荷していた。2週間ぶりである。


 いずれにしても、報道への脊髄反射はやめてもらいたい。

 それから、災害用の備蓄は、普段からしとけ。


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 震災から1週間後、首都圏でカロリーメイトブロックやソイジョイなどの、固形タイプの非常食がまったく売り場から姿を消していたとき。

 取材で訪れた、都内の某大学病院の研究施設の片隅にある自動販売機では、カロリーメイトが3種類、普通に品切れもなく売られていた。

 さすが、医者は冷静だなと思ったのだが、単に利用者が少なかっただけなのかもしらん。


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 最長で来年の冬まで続くかもしれない計画停電と、今後の原発対策のためには、日本人の生活レベルを、江戸時代とまではいわないが、せめて昭和30年代並にするのが一番手っ取り早いだろう。

 たとえば夏、サラリーマンはスーツをやめて開襟シャツにする。それだけで、たいそうな節電になるはずだ。

 そもそもモンスーンの国の夏に、あんな格好をしていることが間違っている。

 もちろん自宅作業者の私は浴衣だ。稼ぎがよければ麻で仕立てると、より涼しかろう。それくらい稼ぎたいもんだ・・・。

 まずはなにより、電気を使いまくっている首都圏のパチンコ屋とパチスロ屋は、基本的に、触法ビジネスなんだから休業しろと思う。

 相撲取りの野球賭博が法律違反なのに、なんでパチンコやパチスロの換金行為が違法とされないのか?

 琴光喜がカワイソウだ。

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 ナベツネとかシンタロウとかの、老害の妄言を聞いていると、事の是非は別にして、幕末に佐久間象山や井伊直弼を斬った、腕に覚えの志士たちの心情というか、空気感が分かる気がする。

 地域のスーパーや個人商店が、計画停電で深刻な売り上げ低下にさらされているときに、ナイター?

 しかも、絶対に計画停電はしない21区内のドームなんざ、デイゲームでもナイターなみの電量消費だとか。

 幕末なら確実に、河上彦斎や佐々木 只三郎あたりに斬られてるな、と思う。

 とりあえず、野球は昼間やれ。


 (了)
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被災地域の方々の、ご無事をお祈りします
- 2011/03/13(Sun) -
 まずは、信じられないような大災害の中、被災地で厳しい時を過ごしている皆様のご無事をお祈りします。


 庵主は都心で地震に遭遇。その後、帰宅困難者となり、自宅に戻れたのは地震発生から28時間後でした。

 その中でも、さまざまな方の助けや励ましに、多いに支えられ、勇気づけられました。

 いまだ大きな余震の可能性も指摘されておりますが、事態が落ち着くことを心から祈っております。

 (了)
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武芸徒然草/(身辺雑記)
- 2011/03/01(Tue) -
 梅も満開だというにの、多忙のループにはまり込んでいる・・・。

 ことに昨年から、問題先送りにしていたビジネス本の仕事が重くのしかかり、新聞の医療記事取材の段取りやら、ルーチンのネットサイトの観光記事の執筆などがどんどん先送りにされていく。

 しかし、締め切りは変らない。つまり、真綿でどんどん首が絞められていて、現時点ではさながら袖車絞めで、半ば落ちつつあるという感じだ。

 一方で、こんなに忙しいのに、財布の中身は素寒貧である。

 3月の家賃を払ったら、もう焼き鳥も食いにいけないではないか!

 20代の貧乏には夢があるが、40代の貧乏は単なる甲斐性なしである・・・。

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 今年のオスカー作品賞は『英国王のスピーチ』であった。

 実は先月、とある新聞記事の仕事で、吃音の取材をした際、言語聴覚士(ST)の先生から、ぜひ見てくださいといわれたのが、この映画であった。

 さらに実をいうと、私は子供のときから、少しどもりがある。

 普段はまったくどもらないのだけれど、疲れていたり、エキサイトしたり、プレッシャーがかかると、言葉のはじめでつっかえたり、語尾のろれつがうまく回らなくなってしまうのである。

 ちなみに、昨日の稽古でも、剣術の指導をしていて熱くなってしまい、説明の際、語尾がへろへろになってしまって、指導を受けていたYさんは、さぞかしわかりにくかったかと思う。

  ま、武術の技なんで、あとは体で覚えてください(爆)。

 感覚としては、頭で考えて発声しようとする情報量に、実際の発声という行為が追いつかない状態といったら、わかりやすいだろうか。

 そんな私でも、かれこれ20年近く、インタビュー取材の仕事を中心にしてメシが食えてきたのだから、世の中、なんとかなるもんだ。

 どもりというのは、いまだに原因は良くわかっていないらしい。一方で、子供の時のどもりというのは、その多くが自然に治癒するという。

 仮に、自然治癒しない吃音でも、大切なことは、本人が落ち着いて話すことができる環境を、周りの大人が作ってあげることだという。

 なにはともあれ、『英国王のスピーチ』は、見てみたいなと思う。

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 『柳宗悦茶道論集』と、井伊直弼の『茶湯一会集・閑夜茶話』を続けて読む。

 どちらも、己の是とする茶道論にたって、健全な批判精神を発揮していることが、読んでいて心地よい。

 ことに柳宗悦の『「茶」の病い』と題した一文は、茶道ではアンタッチャブルと化している宗家制度や、千家の世襲問題にまで踏み込んで、その弊害を一刀両断した、実に痛快な一文であった。

 思えば武術・武道界を見ても、金儲け第一主義のインチキじみた自己啓発セミナーや、指導者を神のごとくあがめる破壊的カルトと化しつつある、一部の指導者と彼らに洗脳された信者たちには、まったく同じ「病い」が当てはまるのだなあと、しみじみ思う・・・。



「点茶心指」 柳宗悦

一フクマイラス

捨テ身ナル聖へ
僧堂ノ行者ヘ
心澄メル比丘尼ヘ
求道ノ居士ヘ
貧シキ道友ヘ
老イタル佳人ヘ
素直ナル若人ヘ
心篤キ娘子ヘ
媚ビザル主ヘ
ツマシキ田舎人ヘ

一フクマイラスナ

金ボコリニハ
エセ宗匠ニハ
青白キ茶坊主ニハ
巧者ブル小茶人ニハ
溺ルル茶数寄ニハ
物見エヌ物狂ヒニハ
高ブル学士ニハ
派手ナル女房ニハ
欲深キ商人ニハ
ヘツラヘル輩ニハ


 「点茶心指」は柳宗悦の座右の銘であったという。

 「一フクマイラス」を「一手ゴ指南」と言い換えて、また「一フクマイラスナ」を「一手ノゴ指南モ無用」と言い換えれば、武芸の世界もそのとおりと、思わず膝を打ちたくなる箴言だ。

(了)

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