転がしたら顔をふんづけるか下突きで、必ず止めを刺しましょう/武術・武道
- 2012/11/28(Wed) -
 本日は久々に空手の稽古。

 空手の世界では、私はセンセイではなく街角の有段者なので、いち個人として自分の肉弾戦の腕が錆びないように、折をみて稽古に参加している。

 手裏剣術はもちろん、抜刀術や剣術は、現代社会では「武用」としての意味をほとんどもたないが、空手道や柔術、拳法や合気道などといった体術は、いまだその意義を持っているのである。


 基本稽古でこってり絞られ、息も絶え絶えになっていると、旧知のA師範がこうおっしゃる。

 「市村さん、今日、B先生がけがしてるもんだから、この後、壮年部の指導してくれる」
 「はあ・・・」
 「えっと、みなさん、この人しれ~っと白帯まいて稽古してますが、実はもう15年も空手やっている有段者ですから。今日はこの人が指導します! じゃあ、市村さんヨロシクネ」

 ・・・。

 む~ん、手裏剣とやっとうは毎週教えているけれど、空手なんて、もう何年も人様に教えてないのだが、しかたあるまい。

 とりあえず、約束一本組手を指導せよとのこと。

 そこで揚げ受けの内捌きと外捌きからの返し。「痛め受け」あるいは捌きながらの受けをしながらの返し。掛手からの裏投げなどを指導した。


 人さまに空手を指導したのは2年ぶりなので、以下、本日の指導備忘録。

・突き蹴りは、きちんと急所に当てましょう。とりあえず、人中、霞、稲妻・月影、水月くらいは覚えておきましょう。初学のうちに、きちんと急所を狙う習慣をつけましょう。

・正しい構えで正中線を守りましょう。キックボクシングのアップライトのように、顔面がら空きに構える人が多すぎます。グローブと違って素手だと、構えが広すぎて顔面たこ殴りにされますヨ。

・運足で捌きながら受けましょう。その場に居着くとパワーのある相手には押し込まれてつぶされます。

・相手を転がしたら、顔をふんづけるか、下突きで、必ず止めを刺しましょう。そのとき重要なのは、引き手で相手の袖や後ろ襟などを引き上げながら、踏み潰すなり、突くことです。
 なぜ空手の技には引き手があるのかを、きちんと理解しましょう。

・「痛み受け」では、相手の肘関節、足首、膝関節を狙いましょう。ただし、稽古ではケガにつながるので、外腕や内腕、脛に当てて鍛えるようにしてください。

・一本組手では、攻撃する側がしっかり当てるつもりで攻めないと、稽古になりませんし、捌きやそのあとの技も正しく行えません。2~3発、突き蹴りが当たっても、人間は案外頑丈なので、死んだりしません。しっかり当てるつもりで突き・蹴りましょう。

・気に入った人とばかり組手をするのではなく、苦手な人とも積極的に稽古しましょう。むしろ、苦手な人とどんどん稽古する人ほど、上達しますし、なにより強くなれます。

・ほとんどの人が、正しい正拳を握れていません。突いた時に手首が緩んで、指の第二関節部分が前に出た、柔術の当身のようになっています。
 空手の突きは、きちんと中指と人差し指の拳頭を主とした基節骨で突きましょう。そのためには巻きわら突きが最良の鍛錬になりますが、無理な場合は拳立てをみっちり行いましょう。


 まとめ。

 やっぱり、空手の稽古はきついけど、楽しいねえ・・・。 

 (おしまい)
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無礼者/(武術・武道)
- 2012/11/25(Sun) -
 先日、AとかKとかBとかがつく、非常に有名な大人数のタレントグループの番組の制作会社を名乗る人物から、手裏剣術に関する問い合わせがあった。

 こちらとしては、相手がどこの誰かもしらないし、芸能界には打粉の粒子ほども興味がないものの、こと手裏剣術に関連することだし、極力、誠実な情報提供とアドバイスを心がけて対応した。

 その結果、とりあえず昨日の稽古前に体験してみたいということなので、稽古場の案内を送り準備をして待っていた。

 ところが待てど暮らせど、くだんの相手は現れず、結局、キャンセルの連絡もないまますっぽかされてしまった。そして、今にいたるまで、ドタキャンに関するお詫びもなにもない。

『♪会いたかった、会いたかった、会いたかった、イェー♪』と言われたのに、会えなかったというわけ・・・。


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▲無礼者、たたっ斬ってやる!


 この業界ではわりあい有名な、黒田師範への「ベロベロバー事件」をもちだすまでもなく、小なりとはいえ道場の看板を張っていると、礼を失した問い合わせや、面白半分の入門希望というのがときどきある。

 最近は携帯メールの弊害からか、手紙文の書き方を知らない人が多く、絶句してしまうような文面のメールも少なくない。

 しかも差出人が、未熟な子供であるならまだしも、社会的な地位の高い仕事に携わる、いい年をしたおじさんだったりすると、「そりゃあ日本も滅びるよなあ・・・」と思うことしばしばだ。


 私の体験に基づいた、武術・武道人的礼と立ち居振る舞いの基本をいくつか挙げてみよう。

・名を名乗れ!→驚くことに、メールでも実際に会った場合も、初めての手紙や対面であるにもかかわらず、自分から名乗らないのがけっこういるんだよ
・挨拶しろや!→「ハジメマシテ」「コンチニハ」「オネガイシマス」「シツレイシマス」、こんな一言がなぜいえないのか、私には理解不能。
・道具をまたぐんじゃねえ!→世が世なら殺されるよ、マジで
・人の前を横切んなよ→武芸を稽古している人の前を横切るでない。危ないヨ
・タメ口で話しかけるな→オレはあんたのトモダチじゃねえ!
・後礼(ごれい)くらいしろ→本式に手紙とまでは言わないが、メールでも電話でも良い、お世話になったら、帰宅後に自分から後礼を入れるべし。それまでの礼法・礼節がしっかりしていても、お世話になりっぱなしで後礼がないようでは台無しであり、ある程度の稽古をしてきた武術・武道人なら、後礼までできて当たり前だ。「後礼ってなんだ?」という脳味噌まで筋肉なヤツは・・・、お茶の先生に聞きなさい。
・刀を使っている人の真後ろを通るな→これで死人が出てる
・鍔鳴のする刀を使っている者は稽古場から退場せよ。そして直るまで稽古に参加するな→これも死人が出てる
・脱いだ履物くらい揃えとけ→逃げるときに困るだろ?
・稽古中に稽古場でタバコ吸うな→喫煙所・エリアへいけ
・黙って中座するな→先生や責任者に一声かけろ。お前は学級崩壊したクラスの生徒か!
・人の武具に無断でさわるな→お前の吐息で刀が錆び、指の油で手裏剣が錆びる
・私語は慎め→2時間くらい黙ってろ
・話しかけられたらまともに答えろ→「ウン」とか言うんじゃあねえ! また体験にきて、最初から最後まで一言も喋らず、それかあらぬか名前すら名乗らないという、すごいのがいたな・・・
・のべつまくなしに、でかい声で挨拶するな→お前の大声は、騒音だ
・稽古着を着たまま電車やバスに乗るな→空気嫁
・稽古着を洗えよ→臭いんだよ、汗にまみれたお前の稽古着は・・・
・歯を磨けよ→臭いんだよ、稽古で荒れたお前の吐息は・・・


 とまあ、挙げ始めたらきりがない。

 ちなみに当庵の会員諸子や武友の皆さんには、上記のような無礼者はおりません、念のため。

 礼は兵法なり。


 (了)
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手裏剣夜話/(手裏剣術)
- 2012/11/18(Sun) -
 翠月庵では、基礎鍛錬用として初学の課程から無冥流長剣での稽古を、目録以上になると翠月剣での稽古を課しているが、これらに加え目録の教程には、車剣の稽古もある。

 とはいっても、実際のところ武術としての手裏剣術を考えると、車剣は威力が低いので有効ではないのだが、手裏剣術者としての参考のため、また掌剣術として用いるために教程に加えている。

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▲当庵では長剣同様、車剣も無冥流の六方剣を使用


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▲9ミリの角型棒手裏剣と比べると、こんな感じである


 車剣は、一見、遠心力がかかって深く刺さりそうに見えるが、実際には、棒手裏剣に比べると、あまり深く刺さらず、重量も軽いため、投擲武器としてはあまり質の良いものではない。

 むしろ手之内として使った方が、はるかに実践的である。もっとも、柔術などの素養がないと、手之内として遣えないのだが。

 それに比べると棒手裏剣は、標的への刺さり具合、重量、打った場合の速度=威力、いずれも十分に武具として通用するものである。

 なかでも翠月剣のような短刀型の手裏剣は、刃の部分が的を切り裂くように食い込むため、針型の棒手裏剣よりも、さらに武具としての有効性が高い。

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▲上から円明流、翠月剣、貫級刀型、知新流、明府真影流、香取神道流の各手裏剣


 先週、無冥流の鈴木崩残氏に、私の翠月剣について、切先の再研磨をお願いした。

 丁寧に仕上げられ、びんびんに立った切先。稽古に使うのがもったいないようである。

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▲手裏剣術の稽古では、当然ながら標的に剣を実際に打ち込まなければならぬので、
どうしても剣が傷む。逆にいえば、傷ひとつない手裏剣、切先に曲がりも欠けもな
い手裏剣は、手入れしたてか、あるいは一度も打ったことのない剣かの、いずれか
である


 研磨したてのおかげで、本日の稽古では翠月剣が気持ちよく的に刺さり、実に爽快な打剣であった。

 (了)


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帰納と演繹の狭間で・・・/(武術・武道)
- 2012/11/09(Fri) -
 過日、兄事する先輩武友と話しをしていたときのこと。

「結局、袈裟斬りの太刀筋というのは、真っ向正面斬りの別形態に過ぎないのだよね」

 との言葉を聞いて、改めて思ったこと。


 介者では正面斬りは無効だとか、左袈裟よりも右袈裟の方が初学者には遣い易いとか、袈裟の角度は45度だとかいや30度だとか、いろいろとあるけれども、結局それらを帰納させれば、日本の剣術の本質は、両手太刀で正しく真っ直ぐ正面を斬ること、これにたどり着くのだなと。

 まあ、いまさら無住心剣流や忠孝真貫流の話ではないけれども(笑)。

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▲古流の剣術でも見られる、打刀による左袈裟の片手打ち。剣の片手打ちは、
スポチャンやフェンシング、二刀を標榜する流儀だけのものではない。
 ちなみに、スポチャンやフェンシングと異なるのは、業の勘所が左の迎え手
にあること。ソフト剣やレピアなどと違って打刀は重たいので、斬り下ろしの
後の処置が肝要なのだ。さもないと、なまくらだったら、地面たたいて帽子が
欠けるヨ……。
 片手打ちは切先が想像以上に伸びるので、非常に実践的な業である。そして
この片手打ちが変化すれば、それは「飛刀術」となる。
 さらに本質的には、こうした片手打ちも結局は両手太刀真っ向正面斬りに帰
納し、そして再び演繹されるのである


 剣術と同様に手裏剣術も、距離や変化打ちや、刀法併用や飛刀術など、いろいろと学ぶべき業はあれども、その極意=術者が到達すべき点は、

 「生死一重の間合からの、渾身の一打」

 これにつきるのであろう。


 物事の核心というのは、結局はシンプルなのだなと、しみじみ思うようになったのは、自分がいささか枯れてきたからなのだろうか・・・(苦笑)。

 (了)
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社会におけるマージナルな不正は、小さなものも見逃してはならない/(身辺雑記)
- 2012/11/06(Tue) -
 私が著者に成り代わって全文を執筆(ゴーストライティング)した書籍が、7月に発行された。

 原稿料は30万円。源泉徴収されるので、実際の振込み金額は27万円である。

 私への仕事の依頼元である出版社のA社からは、原稿料の支払いは書籍の出版月締めの翌々月払いということだったので9月末入金のはずが、先方いうところの「行き違い」で、10月末入金ということに。

 ところが10月末にも入金はなし。

 電話とメールで社長に催促すると、11月1日から昨日まで、1日に1~3回ずつ、2千円とか3千円とかの小額の振込みが。

 本日時点で、しめて2万3千500円ナリ・・・。

 いまだに、24万円以上が未払いである。

 さんざん督促した挙句、先方曰く。

「小額で小分けになっているのは、海外送金のためシステムの問題。小分けにならないようにしたので、残りは9日と14日にわけて入金する」

 とのこと。

 そもそも、海外送金とか聞いていないんですが・・・?

 「システム」とはいったい、何のシステムなのか?

 つうか、お宅は今どこにいて、何をしているの?

 本当にちゃんと払ってくれるの?

 何度問い合わせても、電話はつながらず。メールで短文の返信があるのみ。

 やむを得ず先方には、14日になっても支払いを完了してくれない場合は、法的措置をとることを、メールで通告。

 約束の期日に入金が終了しない場合、まずは内容証明を送り、その後、A社の商業登記簿などを取り寄せ、裁判所に「支払督促」を出してもらうか、「小額訴訟」の提訴をするつもり。

 同時に、書籍の表向きの著者となっているB社社長に今回の顛末を伝え、A社の銀行口座や今回の書籍に関する契約等の情報を提供してもらうなど、債権回収に関連する協力を要請する。

 合わせてフェイスブックやツイッター、ホームページなどでも、A社の実名などを公表し、ネット上で広く不正を糾弾するつもりだ。

 かりに訴訟でA社への「強制執行」の許可が出ても、相手の資産状況の調査や、銀行口座や資産の差し押さえなど、債権回収というのは煩雑で労多く、しかし益の少ない行為ではあるのは十分に承知している。

 しかし、たかが24万円とはいえ、泣き寝入りをするつもりは、まったくない。

 フリーランスの記者としても、武芸者としても、徹底的に闘う。


 社会におけるマージナルな問題は、小さな不正を許してしまうことが、その後のさらなる不正を容認することになり、その結果、大きな不正が公然とまかり通るようになってしまうものだ。

 尼崎の連続変死事件も、尖閣や竹島など領土問題も、最初の小さな不正を見逃したことが常態化し、結果として重大な結果を招いてしまったものといえよう。

 だかこそ、小さな不正や、強者の弱者に対する理不尽を、簡単に許してはならないのである。

 とはいえ、まずは約束どおり、14日までに未払いの料金が全額支払われ、訴訟などにならず、問題が迅速に、そして双方にとって円満に解決することを、心から望んでいるのは言うまでもない。

 (了)
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太刀の伸び縮み/(武術・武道)
- 2012/11/05(Mon) -
本日の稽古備忘録

 二尺一寸の短い打刀を、いかに大きく遣うか?

 『月之抄』に曰く。

 「父云、是は太刀の伸び縮み、一尺より上はなきもの也。太刀を向ふへ出すこぶしより、我が神妙剣(太刀を構えたへそのあたり五寸四方)までの間、一尺より外はなし。太刀先の伸びも一尺の上はのびざるなり」

 
 一尺の伸び縮みを最大限に活用し、二尺一寸の刀を三尺に遣うこと。

 これが当面の課題である。


 一方で、短い二尺一寸での稽古を集中的にするようになって、相乗効果か二尺四寸五分での抜付が、以前よりも鋭くなってきたように感じている。

 (了) 
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