「潜竜」の教えと、横井伯典先生/(身辺雑記)
- 2017/02/05(Sun) -
 古代中国の義理(哲学)の書であり卜占の経典でもある「易」は、私の人生哲学だ。

 中でも、「潜竜」に関する教えは、私にとって最も大切な座右の銘である。

 曰く、

 潜竜用いるなかれとは、何の謂ぞや。
 子曰く、竜の徳あって隠るるものなり。
 世に易(か)えず、名を成さず、世を遯れて悶(いきどお)るなく、是とせ見(ら)れざれども悶るなし。
 楽しめばこれを行い、憂うればこれを違(さ)る。
 確乎としてそれ抜くべからざるは、潜竜なり。



(潜竜を用いるなかれとは、いかなる意味か?
 孔子は言う。竜のごとき徳、聖人の徳がありながら、最下層に隠れている人のことである。
 世の中の移り変わりによって主義を変えることもなく、世間に名を出そうともしない。世に用いられずに隠遁していても、むしゃくしゃすることはないし、だれにも正しいとされなくても、不平を抱くことがない。
 世に道あって、社会的活動がこころよく感じられるときは、その道を世に行い、乱世で、わが身が汚される憂いのあるときは、ただちに世間に背を向けて去る。
 そのようにしっかりとして、その志を奪えないもの、それが潜竜である)



 思えば卜占については、11歳からタロットや西洋占星術などを学んできたのだが、思うところあって周易を勉強しようと志し、初めて本格的に紐解いたのが、横井伯典先生の名著『現代の易』であった。

 以来、直接ご師事させていただく機会はついになかったけれど、易学の師として長年に渡り私淑させていただいてきた。


 ちょうど昨日も、翠月庵へ稽古に向かう電車内で、オークションで一昨日手に入れたばかりの昭和41年に発行された先生の著作『人相の見方』を読んでいたのだが、帰宅後、なんとなくネットをつらつらと見ていたら、先生の主催されていた日本開運学会のホームページを初めて見つけた。

 早速ページを読んでみると、なんと横井先生はすでに3年前の平成26年9月24日に、89歳でご逝去されていたという。

 これは全くの不覚であった。

 すでに相当なご高齢であるということは知っていたが、いまだに元気でご活躍をされているのかと思っていた・・・・・・。


 易学の泰斗として、数多くの門人を育ててきた横井先生は、築地で易学の教室を開いておられた。1992年に上京した私は、以来、何度か先生の教室への入門を真剣に考えたのだが、その都度、仕事やら武芸の稽古やらで機会と時間が取れず、結局最後まで書物を通して私淑するだけであった。

 これもまた、運命における「縁」の有無だと思うが、今となっては1度でも、先生の講義を直接伺っておくべきであったと後悔をしている。

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 まことにもって遅ればせながら、横井伯典先生のご冥福をお祈り致します。

 (了)
 
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