衝撃の体験!/(身辺雑記)
- 2017/02/11(Sat) -
 昨日は、医療とICT関連の取材のため、昼から日本橋に向かった。

 かなり寒かったのでコートにマフラー、さらに都内ではインフルエンザが猖獗を極めていることから、マスクに手袋という完全装備で、上野・東京ラインに乗った。


 平日の昼すぎということで、車内は空席はないが、立っている人もまばらといった状態である。

 網棚に鞄を乗せ、つり革につかまりながら埼玉新聞を読もうかとしたところ、ふと目の前に座っている青年と目があった。

 年の頃は20代前半位の、長距離ランナー風の容貌の体育会系の青年である。

 すると彼は、おもむろに席から立ち上がり、私に向かって「どうぞ」といったのである。

 私は一瞬、彼の行動と言葉の意味が分からなかったのだが、これはどう考えても、席を譲られたということなのだろう・・・・・・。

 オレが、電車で席を譲られる!?

 かれこれ48年間生きてきて、北極圏内にあるアサバスカ・インディアンの村で一文無しになるまで連中と一緒に泥酔したり、シリアで秘密警察に拉致されそうになったり、トルコで武装ヘリに威嚇されたり、タイでは警官に手錠を掛けられて金を脅し取られたり、マレーシアではディスコのトイレでゲイでヤク中のオッサンにレイプされそうになったり、北朝鮮では殺(や)る気まんまんの国境警備の軍人に撮影済みのフィルム百数十本を取り上げられそうになったりと、これまでもいろいろと奇特な体験をしてきた私であるが・・・。

 電車の中で青年に席を譲られるというのは、もちろん生まれて初めてのことだ。

 つうか私はまだ、昔風にいえば「男ざかり」の世代に属する中年のオッサンである。

 しかも、ほぼ毎日武芸の稽古に励み、週に1度は体力的に結構ハードな空手の稽古も行っている。このため、特段体力に自信があるわけではないが、さりとて同世代に比べて虚弱というわけでもないという自覚がある。

 また、この日は体調が悪かったというわけでもなく、徹夜明けだったわけでもない。

 薄毛ではないし、極端な白髪頭でもない。ひどい肥満でもないし、腰が曲がっているわけでもない。

 にも関わらず青年は私を見て、「この人に席を譲らねばならない!」、という使命感を感じたのだ。


 今から25年ほど前、23歳の時に渋谷駅で、朝のラッシュの中をでかいカメラバッグを担いで歩いていたとき、内田有紀チャン似の制服女子高生からすれ違いざまに、「邪魔なんだよ、ジジイ!!」と言われた時もショックだったが、ま、今回の件もかなりヘコむね。

 いやほんと本気(マジ)で・・・。

 よく、電車やバスで席を譲られて、「私はそんな年寄りじゃない、バカにするな!」などと怒り出し、親切な若者たちの好意を踏みにじる老害が話題になったりするが、自分がその立場になって、ようやく少しその気持ちが分かったような気がする。

 もちろん私も、「年寄り扱いするな!」っと青年を一喝し、立ったままでいた・・・・・・。

 ということはもちろんなく、「かたぢけないデス・・・」などとぼそぼそつぶやきながら素直に譲られた席に座らせてもらい、しかしなんとも気恥ずかしいものだから、そのまま上野まで寝たふりをしていたのは、言うまでも有馬温泉。

 それにしても、オレが電車で席を譲られるなんて・・・・・・・・。

 (おしまい)
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