マックイーンのMA-1/(身辺雑記)
- 2017/03/02(Thu) -
 過日、某所のバーで、隣の席に座った私よりも少し若いおじさん2人組が話していた。

 「今年の冬は、若い連中にMA-1が流行ったんだってよ」
 「へえ。オレなんか、トム・クルーズの『トップガン』見て以来、MA-1着てるんだ。にわかとはちがうぜ」

 なるほど、彼にとってMA-1は、トム・クルーズと『トップガン』なのか・・・。



 思えば、『トップガン』の封切は今から31年前の1986年12月、私が高校2年の冬であった。

 3学期になると、同級生がこぞって米軍航空隊のパッチが付いたMA-1やMA-1モドキのパチモンを着て街を歩いていたものだ。

 そんな中で私は、

 「けっ、ペタパタとワッペンなんか張りやがって。本当のMA-1は、『ハンター』でマックイーンが着てた、無地の緑のMA-1なんだよ・・・」

 と心の中でつぶやいていた。

 ま、よくいる面倒くさい思春期の男子だったわけです。



 スティーブ・マックイーンの遺作である『ハンター』の封切は1980年の冬で、私がテレビ放映でそれを観たのは、多分、中学生の頃だから、『トップガン』の封切よりも数年早い。

 映画の中で、マックイーン演じる現代の賞金稼ぎラルフ・パパ・ソーソンが着ているMA-1が実にかっこよく、コンバットマガジンの広告に出ていた中田商店の通信販売で、貯めに貯めたおこずかいを全額下ろして、アルファ社の無地のグリーンのMA-1を買ったのは、遠い日の思い出だ。

 もっとも中学生の体格で、しかも背の順で前から2番目のチビな私にサイズの合うMA-1はなく、仕方なくぶかぶかの無地のグリーンのMA-1を着ている私をみて近所のおばさんが、

 「あら、建築現場のお兄さんのジャンパー?」

 と言ったことは、いまでも私の心に深い傷を残している・・・・・・。

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▲映画『ハンター』でMA-1を着ているスティーブ・マックイーン。37年たっても、やっぱりカッコイイ



 そんなこんなでこの冬、ひさびさにMA-1でも着てみるかと、20年ほど前に池袋のサープラス・ショップで買った3着目のアルファのMA-1をクリーニングに出し、久々に着てみる。

 ジーンズにシャツ、グリーンの無地のMA-1を着て鏡に映っている私は、自分の脳内ではまちがいなく『ハンター』のスティーブ・マックイーンなのである。

 だがそんな私を見て、親しい人はこうのたまった。

 「なんか、工事現場のオジサンみたいだよ」

 ・・・・・・、ま、いいんだ、それ言われ慣れているから。


 (おしまい)
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