跳斬之術一考/(柳剛流)
- 2017/05/23(Tue) -
 一昨日の本ブログでは、「兵法のはやきといふ所、実の道にあらず」ということについてふれた。

 そんな折り、合気道家であり大森曹玄門下として直心影流を修めた剣客でもある、野中日文先生のブログの過去記事をつらつらと読んでいたところ、興味深い一文が目に留まった。


大陸で何人も人を斬ったという、村重さんという人がいた。ゆっくりと重くつかう人で、意外に思って「そんな速さですか?」「そう、こんなものだ。真剣を使う場では、さわぐな」これが秘訣のようだった。ベルギーで客死したが、ギャングに襲われたようだ。筆者はこの人に人の斬り方を教えてもらった。

「野中日文の垂直思考 武の世界からの直球・曲球」 阿部先輩のこと(2012/08/06)
http://nonakahihumi.blog.fc2.com/blog-entry-130.html




 今は剣で実際に人を斬る時代ではないが、こうした先達の箴言は十分に吟味する必要があろう。

 翻って我が柳剛流においては、その剣術は「跳斬之妙術」とも呼ばれ、斬撃に飛び違いを用いることを特長とする、いわば軽快・迅速な剣である。

 こうした点で、野中先生がご指摘されている、「ゆっくりと重くつかう」こととは、一見、対極にあるように思われる。

 しかし、柳剛流の剣における軽快さや迅速さは、たんなる形而下の軽さや早さであってはならないと、私は考える。

 流派を問わず、剣術の第一義が「殺人刀」である以上、我が跳斬之術も、軽快だが重く、迅速だがゆっくりとした、「さわがない太刀」であるべきであろう。

 これをどう、己の「形」=「術」に体現していくのかが、稽古における大きな課題だ。

170523_柳剛流_左剣
▲柳剛流剣術「左剣」


 (了)
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