昔とった杵柄?/(身辺雑記)
- 2009/09/03(Thu) -
 最近、諸般の事情から故あって、セキリティ・・・、まあ、生々しく言えば身辺警護をまじめに考えなければならない状況に関わることが何回かあった。

 私事だけれど、その昔、某大手警備会社ア●ソックの社員として3年ほど勤務していたことがあり、ま、モロモロのめぐり合わせもあって、40年も生きていると、そんな剣呑なことも、ごくごくまれに、あるわけです。


 さて、現代社会において警護などを考える場合でも、基本的に武術や兵法と同様、「最悪事態」に備えることが基本である。

 警護における最悪事態は、銃器対応ということになるのだけれど、銃器が氾濫している海外と違って、日本国内ではあまり現実的ではない(最近は、それでも多いというけれど)。

 日本でもっとも留意しなければならないのは、やはり刃物である。

 といっても、打刀や脇差などを持ち歩くストーカーや粗暴犯、薬物中毒患者などというのはほとんどいないのは、言うまでもない。

 主な対象となるのは、ナイフや包丁といった、日常的な刃物である。

 一方で、日本では司法警察官など法執行機関の職員以外、民間人には逮捕や拘束などの特別な権利はないので(※1)、たとえ頭のいかれたストーカーが刃物を持って女性を追い掛け回していたところに遭遇したからといって、たまたま手元にあったレミントンM870でストーカーの右足を吹っ飛ばすというわけにはいかない・・・、ま、当たり前ですね。

 つうか、普通、手元に散弾銃はないわな。


 よって、その事案の警戒対象が刃物をもっている蓋然性が高い場合でも、我々民間人(警備員も含む)は、銃器はもちろん、殺傷力の高い刃物などで武装することはできないわけです。

 一方で、アドレナリン全開で出刃包丁を振り回すヤク中や、刃渡り30センチの牛刀を持っているストーカーなどに対応しなければならない場合、素手で立ち向かおうという武術・武道家、あるいは警備職員がいるとすれば、そいつはただの馬鹿者である。

 そういうわけで、このようなケースで我々一般人が使用できる有効な警戒用具となると、警棒(警備業法上では『警戒棒』という)と催涙スプレーということになるわけだ(※2)。

 ちなみにスタンガンについては、密着しないと使用できないのと、心不全の既往のある相手に使用した場合の予後が不安なので、私個人としては、警備・護身用具として利用価値をあまり認めない。

 できれば、警戒棒と催涙スプレーは併用したいのだけれど、催涙スプレーはミストタイプだと、風向きをはじめ、狭い場所や気密性の高い室内などでは、自分や警護対象者が被害を受ける可能性もあり、雑踏では無関係の人に被害が及ぶので、いささか使いにくいものだ。

 というわけで、結局、消去法で警戒棒しかないなということで、押入れの道具箱をあさってみたのだが、手持ちの特殊警棒が、どうにも見つからず、こまってしまった。

 考えてみれば、10年ぐらい、触ってなかったしなあ・・・。

 今回も、まず警戒棒を使うようなことにはならないだろうけれども(※3)、情況がさし迫っていたので、「はて、どうしたものかな・・・」と。

 いや、新調すればよいんだろうけどもねえ、10年に1回、持ち出すかどうかというような代物を、改めて購入するのものなあと。そんな金があったら、新しい稽古用の手裏剣がほしいわけです、私としては。

 なお、こういう時には、手裏剣はまったく使えない代物です。

 どう考えても過剰防衛だし。

 現実的な護身具や警備用具にはなりませんね、手裏剣は。


 とまあそんなわけで、今回しみじみと思ったのは、21インチ以上の特殊警棒と、液状タイプの催涙スプレーくらいは、一応、普段から用意しとかないといかんな、ということであった。

 ま、めったにないことなんですがね、ホントに。


※1
現行犯逮捕は民間人でもできます。ただし手錠をかけたり、ロープでしばったりすること、つまり拘束する権利は警備員も含む民間人にはありません。

「じゃあ、暴れてる窃盗犯とか、どうしたらいんですか?(若き日の私)」
「だから、木製警棒でぶん殴って、おとなくなってもらうんだよ(某ベテラン警備隊長)」
「はあ・・・(若き日の私)」
「あと、三段式の特殊警棒は、すぐ曲がるからな。ここ一番って時は、木製警棒もってけよ(某ベテラン警備隊長)」

 と、私は教えられた。

 まあ実際のところは、正当防衛や緊急避難が適用される範疇のなかで、相手を一時的に拘束しても、罪は問われないだろうけれども。

※2
施設などに備え付けておくという前提であれば、(骨董品ではない)警備用の刺又が最も有効であろう。最近は、学校などにも備え付けられているとか。一本3~4万円くらいで売っているらしい。これを使って、3人1組(首、胴、刃物を持つ手、と3箇所を押さえる)で、相手を取り押さえるのが最も現実的である。

※3
なお、警戒棒(特殊警棒含む)は、あくまでもその使用に熟練した者、あるいは剣術や剣道、体術など、警戒棒の使用に十分な応用のできる技術をもっている者が使って、初めて効力を発揮するものである。シロウトサンがもっていても、単なる棒っこに過ぎないので、過信しないようにネ!

 (了)
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