手首の記憶/(武術・武道)
- 2009/09/10(Thu) -
 過日、抜刀術家の皆さんに掌剣術の基本を解説するのに、久々に長剣を使った逆手の技などを指導する機会があり、懐かしい思いがした。

 すでにここでも何度か書いているけれど、私は体術に関しては、13歳のときに入門した八光流柔術の稽古からはじまり、天神真楊流をごく少々、あとは剣術と抜刀術の旧師にいくつかの古流の技の抜粋をちらほら学んだというところで、30代からは、もっぱら伝統派の空手道の稽古に打ち込んだ。

 しかしそれでも、柔術系の投げたり、極めたり、固めたり、というのは独特の面白さがあるし、柔術としての当身のありようは、空手道とはまた違った妙味があるのも興味深いところだ。

 柔術の稽古となると、基本となるのは手解(てほどき)の技である。

 八光流なら「八光捕」、天神真楊流なら「鬼拳」~「振解」あたりであろうか。

 これらは、別に気とかなんとか怪しいもんではなく、心理的効果と生理学的な合理性に基づいた技であり、剣術・居合あるいは手裏剣術の人でも、これくらいは覚えておいてほしい、柔の基本中の基本である。

 そしてまた、この辺りの体術の理合と実技を、もっとも科学的かつ合理的に解説している資料が、ここでも何度も紹介している富木謙治師の名著『合気道入門』(ベースボールマガジン社/絶版)である。

 同書で紹介されている、「小手捻」と「小手返」、「腕挫」と「腕緘」系の技の基本と応用は、合気道というよりも、全ての日本柔術に共通する普遍的な技術といっても過言ではないので、武術・武道人たるもの、やっとうが本科の人でも、2~3手は覚えておいてもらいたいものだ。

 ましてや、わざわざ掌剣術を標榜し看板に挙げる手裏剣術者であれば、手裏剣を馬手(右手)差しあるいは手之内として使用する体術の応用展開で、10や20の技が取れないようでは、お里が知られるというものであろう。

 馬手差しが分からんという人は・・・・、別にいいです。一生、打剣だけしててください。


 ちなみに翠月庵では最小限度の掌剣術を学ぶことを目的として、現状では掌剣術の基本となる手解の型七本、体術に展開するための基本となる「入身の型」、「起こりの型」、「尽きたるの型」の三本を独自に編成し、稽古体系に盛り込んでいます。

(了)
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