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座右の銘/(箴言集)
- 2018/12/20(Thu) -
 毎月連載している雑誌の巻頭インタビューでは、インタビュー対象者に必ず「座右の銘」を聞くことになっている。

 相手は医療や介護、福祉の世界で名を成した経営者や、斯界の重鎮、大学教授などだけに、皆さんそれぞれ含蓄のある座右の銘を持っていらっしゃる。

 たとえば、この秋にインタビューをした日本医師会のY会長の座右の銘は「和して同ぜず」であり、先月インタビューをした関西の巨大医療・福祉グループの理事長であるN医師のそれは「神は細部に宿る」であった。



 私ごとき街の片隅の流れ武芸者が、座右の銘などというのはいささかこっぱずかしいけれど、くちばしの黄色いヒヨコだった10代の頃から、くたびれて世の中を斜めに見るようなオッサンとなった現在まで、いつも心に留めてきた言葉がある。


  卑怯なまねはしない。友達を裏切らない。




 これは、作家・北方謙三の言葉で、ブラディドールシリーズに出て来るものだが、作者自身の人生信条でもあるのだという。

「嗜好と文化「私のポリシー」:第77回 北方謙三さん「友達を裏切らない 」(毎日新聞)
https://mainichi.jp/sp/shikou/77/03.html


 多感な十代の頃、挑戦シリーズやブラディドールシリーズなど、一連の北方ハードボイルドに完全に洗脳されていた私は、上記の言葉に出会い、「この2つだけは、死ぬまで守っていこう」と、固く誓ったものである。

 以来、30有余年。

 生き馬の目を抜くような渡世の中で、それを守るのは、なかなかにしんどいことでもある。

 おかげで厄介な出来事にあえて巻き込まれたり、しないでいいケガをしたり、時には上った梯子を外されたりと、我ながらなかなかに苦労をしてきたものだなあと思う(苦笑)。

 それでもこれまでの人生で、この2つの言葉を守ってこられたかどうかについては、多少の自負はある。

 そんなある種のやせ我慢が、人の「心映え」というものを磨いていくのではないだろうか。


 (おしまい)
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