無冥流の演武ダイジェストと、ラルフ氏の新作DVD/(手裏剣術)
- 2009/11/12(Thu) -
 先日、無冥流の鈴木崩残氏より、同流の演武ダイジェストのDVDと、ラルフ・ソーン氏の新作DVDをいただき拝見した。

 まず、ラルフ氏の新作の所感から述べると、前回のDVDは、どちらかというとデビュー作的、あるはプロモーション的であったのに比べ、今回のDVDでは、イントロダクションからレベル1~4まで、段階的に、同氏のナイフ・スローイングの技術と体系を解説されていたのが印象的であった。

 また、レベル4では、対人攻防のレッスンとして、靴下を丸めたもの(!)を使ってのスローイングナイフ版ライト・スパーを行っていた。これは無知な人や、投擲武器をしらない武術・武道人が見ると、一見、子供っぽい遊びのようにも見えるかもしれないが、実際には、たいへん重要かつ有意義なメソッドである。ちなみに、翠月庵では、無冥流と同様に、棒手裏剣を模した模擬手裏剣で、地稽古を行うよう体系づけている。

 また、前作同様、ラルフ氏のナイフ・スローイングは、とにかくその精度の高さ、変化打ちの多彩さにおいて、すばらしいものである。

 残念ながら、字幕などない完全英語版であるが、手裏剣術はもとより、投擲武器を扱う者であれば、一見の価値があるといえるだろう。


 次に、無冥流の演武ダイジェストDVDについて。

 収録されている映像は、これまでyou-tubeで公開されてきたものであるが、10間打ちや多本打ち、超精密打剣など、同流・崩残氏の超絶的な演武の数々を、改めてまとめて拝見すると、同じ手裏剣術をたしなむ者としては、その技術の高さには脱帽するばかりである。

 市村おもえらく、現在、日本で手裏剣術をたしなむ者のなか、直打での10間打ちを実際にできる手裏剣術者は、はたして何人いるだろうか?

 当然ながら、口で「10間通す」とのたまうだけではなく、実際に打てる人、通せる人である。

 おそらく、10人もいないであろう。

 直打という技術を駆使する日本の手裏剣術において、その技の限界に挑戦するという意味で、10間を通すということは多くの手裏剣術者の夢であり、斯術の極みである。

 私とて、現在、7間直打で刺中率1割程度が最大距離である。

 こうした意味からも、崩残氏の10間打ちの業前は、手裏剣術者であれば、1度は見ておきたいものだといえよう。

 また、飛刀術の精度、速度、威力も、さすがにこの技術の先駆者だけに、その業前はすばらしいものである。

 このように、本DVDは、無冥流の超絶技法が満載であり、たいへん見ごたえのあるものであった。


 末尾ながら、貴重な映像資料をご寄贈いただいた崩残氏には、改めて御礼申し上げます。

 (了)
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