期待の剣/(手裏剣術)
- 2009/12/07(Mon) -
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▲いま、私が最も期待&注目している新作剣。一見、小柄のような形だが、重心位置など手裏剣術として合理的な形状となる


 当庵独自の、刀法併用手裏剣術専用の剣、いまだトライアル中である。

 といっても、先週は稽古場に行けなかったので、今はもっぱら、自室で各種の剣をさわっている程度であるが・・・。


 先に記した1回目のトライアル・レポートでは、使い慣れた角型20ミリ剣2種の評価が高く、どうしてもこれまで使い慣れていなかった貫級刀形の評価が低くなってしまった。

 実は、これにはもう1つ、きわめて主観的な要因がある。

 それは何かといえば、剣の(ビジュアル的な)形状である。

 いやしくも武技たるもの、その性能や実用性以外に、見た目などどうでもよいのだ! ・・・、などいうのは、野暮天というものである。

 そもそも、日本の刀が惟神の霊器とされるのも、折れず曲がらずよく斬れるという性能だけではなく、その息をのむような美しさがあるゆえだ、というのはいまさら私が述べるまでもない。

 これはまた、手裏剣においても同様である・・・、と私は個人的に考える。

 性能や実用性はまったく抜きにして(これはこれで、かなり失礼なものいいだが〔笑〕)、香取神道流の剣は、あの独特のボトムヘビーな曲線が、なんともいえない味わいがある。また、無冥流の長剣は、まるで鎧通しのような迫力があり、特に巻物をつけるとそれが顕著になる。あるいは、直打の実用性としては最悪の知新流の剣でさえ、あの古い鏨のような無骨さが、眺めていて飽きない・・・、いや本気(マジ)です。


 とはいえ、あくまでも手裏剣は投げ捨て兵器であるからして、「美術的価値」など皆無であろうが、斯術をたしなむ者としては、これくらいの数寄心があってもよいのではないかと、ひとり納得している。

 こうした意味で、私個人は、両刃(ダガー状)の剣というのは、どうも気持ちがしっくりこないわけです。

 もちろん前回のトライアルでは、当然ながら純粋にその打ち心地のみで評価しているわけだが、このような主観的な好悪の感情が、まったく影響していないとは断言できない。


 そこで、今、私が最も期待しているのが、冒頭の写真の剣である。

 これは、前回テストした貫級刀型手裏剣と同様、無冥流の鈴木崩残氏謹製の一品である。

 素材は貫級刀形とまったく同じで、剣先を片刃状にしたものだ。

 しかし、これが「グっとくる」ではないか! 

 両刃状(実際には刃はついていない)のタイプが貫級刀型であるのに対して、こちらはいわば小柄型である。

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▲全長230ミリ、厚さ5ミリ、幅10ミリ、重さ約80グラム


 一般の人は、よく小柄と棒手裏剣を間違えることが少なくない。このため武術書などでは、「小柄と手裏剣はよく混同されるが別物であり、しかも小柄はそもそもが日用使いの小刀なので、実際に手裏剣に打ってもまず刺さらない」などと解説される。

 しかし、これなら、まちがいなく最低でも4間は通る!

 こうした点も含めこの新作剣は、造形的魅力も合わせて、私は期待しているのである。

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▲切っ先は片刃様。しかし手裏剣として的に刺さればよいので、現状では刃は付いていない


 やはり日本人たるもの、剣型よりも刀型に、より「グっとくる」ってなもんであろう(笑)。

 (了)
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