平成21年を振り返って/(手裏剣術)
- 2009/12/29(Tue) -
 いよいよ今年も押し詰まってきたわけで、毎年恒例の1年間の総括をしておこうかと思う。

 今年の稽古では、主に刀法併用手裏剣術の考察と実践が中心となってきた。その結果、藤田西湖伝および知新流を原型に再検討した型を5本、他に2本の型を加え、合計7本の型を整理することができた。

 これにより、前後左右、四方の敵に対して、手裏剣術と剣術、居合・抜刀術を組み合わせた状態で対応するための、基礎的な稽古体系が出来上がった。

 具体的には、従来、定位置からの的打ちが中心であった手裏剣術の稽古に「型(形)」という概念を取り込み、

1.手裏剣術基本型
 (逆体、順体、引足、歩足での打剣)
2.手裏剣術運用型Ⅰ 七本
 (一、前敵 二、左敵 三、右敵 四、後敵 五、前後敵 六、左右敵 七、突進)
3.刀法併用手裏剣術基本型 七本
 (一、抜付 二、先 三、右ノ敵 四、左ノ敵 五、鞘之内 六、後ノ敵 七、前後ノ敵)

 という、3段階の型稽古の階梯を整備することができた。

 非常に大雑把に言うと、定置からの打剣で基礎を作り、その後は基本型で体の運用(運足と力の統一)の基本を学び、運用型Ⅰでそれを応用発展させ、最後に剣術や居合・抜刀術と手裏剣術を融合させて遣う、という一連の流れの大筋を、創庵から足掛け3年で、ようやく明確にすることができたように思う。

 これに伴い、本来、手裏剣術を表芸とする当庵ゆえに、剣術や居合・抜刀術の素養に関しては、別途、流儀や会派などであらかじめ学んでもらっておくことが望ましいのだが、諸般の事情でそれがかなわない稽古者のために補助的稽古として、私がこれまで学んできた剣術や抜刀術、居合術などを元に、基礎剣術(素振り)、基礎抜刀術(打刀の取り扱い)、初級剣術(組太刀五本)、中級剣術(表・裏の組太刀十本)、中級抜刀術(立業四本、座業二本)などを整理して、稽古体系に組み込んだ。


 以上のように、今年1年の研究と考察および実践で、「手裏剣術を中心に攻防を展開する武技の体系を研鑽し、もって武術・武道 の『事』と『理』を学ぶ」という当庵の稽古目的実現のための稽古体系の基礎は、おおむね固まったと思っている。


 一方で、会の運営という点を見ると、常時参加の会員諸子が少しずつ増えてきたことは、代表者としてはたいへん喜ばしいことである。いまだ数人とはいえ、同じ稽古場で剣の腕を磨くというのは多いに刺激になるし、私にとっても学びや気づきが多い。

 結庵当初、炎暑や木枯らしの中、野天の稽古場で一人黙々と打剣にいそしんでいたのも、今となっては懐かしい記憶である。

 そういう意味で、「時間内は指導に追われて、自分の稽古がままならない・・・」というのも、贅沢な悩みというものであろう(笑)。

 家主様のご支援もあって稽古場の環境も安定し、近隣の住民の皆さんにも「なんだからよく分からんが、武術の稽古をしているという変な人」という認知から、最近では「ここのところ、お弟子さんが増えたねえ・・・」と、声をかけられるようになったのも、地道に稽古を続け、近隣の方々に失礼のないよう心がけてきた結果だと心得ている。


 以上のように、平成21年は、当庵にとってはたいへん充実した1年となったといえよう。

 それもこれも、手裏剣術などという徒花のような武術に関心を持ち、稽古に通ってくださる会員諸子、さまざまな形でご助言やご指導をくださる武術・武道の先達や武友、安定した稽古環境を提供してくださる家主様や近隣在住のみなさんと、数多くの人々のご支援があってこそだと痛感している。

 これらのみなさんにあらためて、心から御礼申し上げたいと思う。

 なかでも、

 物心両面において、さまざまな形で変わらぬご支援をいただいている、無冥流の鈴木崩残氏。

 定期的な交流稽古と、手裏剣術講習会を通してご厚誼をいただいている、戸山流居合抜刀術美濃羽会中津川稽古会の代表であるたんだ先生と同会員のみなさん。

 折にふれ、武術としての技術面でさまざまなご助言やご指摘をくださる、空手家で古流武術家でもあるK先生。

 先達として、また古流武術の伝書研究という立場からも、貴重なご助言をくださる古流柔術家・柔道家のKさん。

 遠路はるばる遊びに来てくださる、上方の薙刀遣い・S氏。

 稽古場を提供してくださっている家主のH様。

 これらのみなさまには、格別の御礼と感謝を申し上げたい。

 また、本ブログを定期的に読んでくださる読者諸氏にも、同様に御礼申し上げたいと思う。


 今年1年、本当にありがとうございました。


 それではみなさま、年の瀬のひと時、良いお年をお過ごしください。


 翠月庵主
 市村翠雨 謹識
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