青磁礼賛~作為を超えた神秘の「景色」/(数寄)
- 2010/02/03(Wed) -
 ひさびさにオークションで、青磁の瓶を手に入れた。

 以前から貫入のあるもので、形の面白い花瓶がないかと探していたのだが、今回、なかなか良い造形で価格も手ごろなものが見つかったのだ。

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▲青磁貫入六角管耳瓶


 この瓶の魅力は、まず六角の管耳がついたオリエンタルな雰囲気を感じさせる造形だ。

 青磁に対して、大陸的、中央アジア的な造形のイメージを求める私としては、このオリエンタルな雰囲気がなんともいえなく好ましい。なにやら、西安郊外の中世の遺跡から出土した遺品・・・、といったムードがなんとも味わい深いではないか。

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▲六角の耳が、中央アジア的デザインの美を感じさせる・・・かもしれない


 もうひとつ、この瓶の魅力は、なかなか迫力のある貫入である。

 貫入とは、器の焼成時に土と釉薬の収縮率の差によって生ずる表面の細かいひびをいう。

 貫入のある磁器はなにも青磁に限ったものではないが、「青磁のもっとも大切な景色」といわれるもので、たとえば大阪市立東洋陶磁美術館収蔵の「青磁 管耳瓶」に見る貫入は、これはもう人知を超えた迷宮の美、といった雰囲気である。

 さて、今回入手した六角管耳瓶、その貫入は、シンプルで太めのしっかりとしたものである。

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▲貫入の幾何学的な文様が、青磁の深い青とあいまって、独特
 の「景色」を作り出す


 貫入には、魚のうろこのように見える「魚鱗紋」や、氷が割れたような「氷裂紋」、白と黒の2つの貫入がある「二重貫入」などの分類があり、それぞれある程度作為的に作りこめるものだが、根本的には、どのような貫入がどのくらい入るかというのは、偶然性によるものとなる。

 ゆえに貫入は、「人知を越えた美」とも評され、それがまた青磁の神秘的な魅力に幻惑的な彩りを添えるのである。


 いやまったく、青磁は良い。

 本当に良い。

 妙齢の美女と同じくらい良い・・・(笑)。

 (了)
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