楽屋落ち/(身辺雑記)
- 2010/02/06(Sat) -
 前回の青磁の花瓶購入の記事が、どういうわけか好評で、アクセス数も妙に伸びた。

 一方で、口さがないなじみの連中からは、「で、あれはいくらしたんだ?」とか、「そんな金があるなら、この前の飲み屋の割り勘代を早く払え」とか、「貧乏、貧乏というが、実は市村は、たいそう小銭を溜め込んでいるに違いない」、などの、意見が寄せられた(笑)。


 つうかね、考えても見たまえ!

 社会の最底辺に生きる、フリーの取材記者であり、武術・武道界の鬼っ子たる手裏剣術を表看板にする私である。

 手慰みに、高価な骨董を買うカネなど、あるわけなかろうが!


 たとえばくだんの青磁花瓶、値段をあからさまに言うのも下品なので、あえてたとえ話でいえば、落札価格はタバコ3箱くらいの値段なのだヨ。3カートンぢゃあないぜ、3個だよ。しかもそれを、身を削るような思いで捻出したわけだ(笑)。

 高そうに見えるのは、出品者さんが撮ったきれいな写真と、私の格調高い文章の賜物であろう(爆)。


 だいたいね、そんな隠し金があるなら、もうちょっと余裕のある生活をしようというものである。妙齢の奥さんをもらうとか・・・、ははは・・・。


 ※  ※  ※  ※  ※


 過日、なじみの小料理屋Sのカウンターで、常連で会社経営をしているAさんとの会話。


「で、市村さん、最近、ようやく弟子が増えたらしいネ」
「いや、いや、弟子ぢゃあなくって、会員さんだけど・・・、ま、ぼちぼちと」
「ところで市村さんところは、月謝はどれくらいなの?」
「うちは月謝じゃなくて、1回いくらなんですよ」
「で、いくら?」
「1回2時間で、1000円」
「・・・! 手裏剣代は別で?」
「いや、手裏剣の貸し出しはタダだから」
「それは安いでしょう! 打ちっぱなしのゴルフ練習場だって、もっと高いよ」
「う~ん、どうでしょう。週1回の稽古だから、毎週来たら月謝換算で4000円だし。なんたって、行田まで通うの、みんなたいへんだしねえ」
「普通、武道の月謝て、それくらいなの?」
「いや~、まちまちですね。週1回で月謝1万何千円というところもあれば、施設使用料だけで、基本的に年会費のみとかいうところあるだろうし」
「となると、相場としてどうなんだろう」
「これは私の完全な主観だけど、月謝として考えるなら、6000~1万円くらいが相場と考えればいいのかな。ただ、それで月に何回稽古にいけるかによって、お得感も代わってくるだろうけれども」
「でも、話聞いてると、やっぱ市村さんのところは、安いんでしょう?」
「普通かなあ・・・、何しろ週1回の稽古だし。本当は、年会費3000円くらいで、あとは年間何回来ても無料とかでやりたいんだけれど、畳とかの備品代とか、稽古場の家賃とか、備え付けの手裏剣の代金なんかもあるし・・・」
「黒字は出てるの」
「いやいや、そりゃあ赤字ですよ、いまだに(笑)。それでもうちは、手裏剣に関しては懇意にしている手裏剣家さんから寄贈してもらったり、実費のみの低価格で作ってもらったりしているから。稽古場の家賃だって、家主さんのご好意で、破格に安い料金で貸していただいてるし。いろんな意味で、周囲の皆さんに恵まれているから維持できているようなもんですわ」
「ふ~ん、しかしそれじゃあ、とてもじゃあないが、商売にはならないね」
「ま、それが『剣客商売』ってやつですよ。だいたい、武術・武道で金儲けしようと思った段階で、もう三流ですから(笑)。私が若いころついた旧師も、地方からくる学生には、私も含め月謝なしで指導してくれましたしね」
「なるほど・・・、武士は食わねど高楊枝ってやつですか・・・、ま、一杯!」
「私は武士ぢゃあないけど・・・(笑)、いただきます!」


 ※  ※  ※  ※  ※

「つまり……こういうことです。あのう、…教育と、病院と、宗教と、占いは、お金がかかればかかるほど、レベルが低いんです、ということを申し上げたくて」  

   ~『流れる砂』(東直己著/角川春樹事務所)~

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