【新訳】早縄 活法 拳法教範図解~その5/(武術・武道)
- 2010/02/24(Wed) -
※本稿の凡例
 太字:原文意訳
 細時:意訳者の注


■柄止


捕(勝つ側)は木太刀を帯刀して進みでる。受(負ける側)、取ともに気合を十分に満たして歩み寄り、自然体で相対する。(互いの間合は、一歩踏み込んで手が届く程度)。受は右手で捕の柄頭を、左手で捕の右手首をつかむ。

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受は、捕の柄頭と手首を握ったまま、左足を一歩踏み込んで捕の柄頭と右手を、向かって左下方向へ押し付ける。捕はこれに逆らわず、鍔を親指で抑えながら右足を30センチほど開き、受の体勢を崩す。

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体勢を下方に崩された受けは、それを立て直そうと上体を起こすので、それに乗じて捕は右足をやや踏み出しながら、柄を(自分から見て)反時計回りに廻して受のつかんでいる左手をはずす。同時に受けにつかまれている右手も同様に反時計回りに廻し上げ、受けの左手首を逆に極める(柄頭と右手の動きは同時)。

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柄から受の右手が離れたら、捕は左手で受けの右手を手の甲側からつかんで制し、右足を一歩引きながら膝を着き、左足を開いて脇固めに極める。

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この形は、渋川流の立合の形を修整したものである。




市村いわく。

 警視流の2本目、柄止の形である。

 これも柔術諸流によくみられる技であり、現在でも柔道や総合格闘技などでよく知られている脇固めの応用なので、技自体にはあまり説明もいらないであろう。ただし脇固めと同時に受の左手首も極めているが、これも柔術ではよくある技法である。

 形のポイントは、我の柄と手首をつかんで(我の)右下方向に加えられる相手の力に逆らわず、右足を開くことで、相手の体勢を崩し、体勢を立て直そうとする相手の動きに応じて、柄と腕を廻して逆に捕る点にある。

 力任せに技をかけようとするだけでは、下方へ柄と手首を押さえつける相手の力が強ければ、技がかからないことに十分留意されたい。

 なお初学の稽古では、受は力んでがんばらずに、やわらかく捕の技に”かかってあげる”ことが肝要である。

 ちなみに捕が受の柄頭をつかんで下方に押し下げる動作は、鍔で受の金的に押し当てを加える技(攻撃)の表現であり、古流の柄裁きや太刀捕りの形などで、よくみられるものである。

 最後の脇固めでの極めにおいても、力任せに制するのではなく、全身の統一された力と重心の移動で、やわらかく制することが肝要であろう。

(つづく)
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