ニセ医療にご注意!(2) ~ホメオパシーと助産師会の根深い闇/(医療・福祉)
- 2010/07/12(Mon) -
 ホメオパシーといえば、まったく医学的効果がない単なる砂糖玉(レメディ)を、あたかも治療効果があると称して処方する、代表的なニセ医療である。

 そして、このホメオパシーを「信奉」する助産師(!)が、新生児に必要なビタミンKの経口投与を意図的に行わず、かわりにレメディを投与。その結果、子供がビタミンK欠乏性出血症で死亡するという事件が起こり、母親がこの助産師を提訴した。


「読売オンライン 九州発」
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20100709-OYS1T00214.htm


今回の事件に対する、科学的専門家の突っ込んだ批判
「ホメオパシー助産師のビタミンK2の問題が裁判になった」
http://blackshadow.seesaa.net/article/156012122.html#more


 さて、まずはニセ医療によって大切な命を失ってしまったお子さんと、そのご両親に、深く哀悼の意を表したい。

 その上で、代表的なニセ医療であるホメオパシーに対して、日本の司法がどのような判断を下すのかという点について、今後も注目したいわけだが、それ以上に関心をひくのが、組織としての助産師会が、これまで組織ぐるみでホメオパシーに関わってきたという事実である。


「助産師会とホメオパシーとの濃密な関係」
http://putorius.mydns.jp/wordpress/?p=716

「ホメオパシーイベント体験談」 
http://www.homoeopathy.co.jp/event/ankeito_2007_11_19_kanagawa_midwife.htm


 近年、慢性的な医師不足にともない、周産期医療における助産師の役割はたいへん大きくなっている。

 にも関わらず、本来、地域社会の中で母子の健康を守るはずの助産師が、組織ぐるみでニセ医療にかかわり、あまつさえそれにより、子供の命を奪ってしまったということは、医療に関わる記者としても、非常に強い憤りを感じる。

 また、上記のように、かなり組織的にホメオパシーに関わってきたにも関わらず、この提訴を受けた形で(社)日本助産師会が発表したコメントは、組織的なホメオパシー団体との関与についての総括と反省、謝罪がまったく示されておらず、責任回避丸出しのうわすべりしたものと言わざるを得ない。


「代替医療に関する本会の見解」
http://www.midwife.or.jp/pdf/k2.pdf


 そもそも、医師と同様に開業権を持ち、医師以外で唯一助産行為が許される専門的医療従事者である全国2万5000人の助産師は、EBM(根拠に基づいた医療:Evidence-based medicine)についてどのように考えているのか?

 (社)日本助産師会は、200年以上にわたり、科学的・医学的な検証でその効果をことごとく否定され続けてきた、ニセ医療行為であるホメオパシーについて、どのような見解を持って、組織的な交流を続けてきたのか、ぜひインタビューしてみたいものである。

 なおホメオパシーの問題点については、以下のリンクに詳しいので、ぜひ読んでいただきたい。


「ホメオパシーと医療ネグレクト」
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20080516#p1

「ホメオパシー - Skeptic's Wiki」
http://sp-file.qee.jp/cgi-bin/wiki/wiki.cgi?page=%A5%DB%A5%E1%A5%AA%A5%D1%A5%B7%A1%BC

(了)
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