今日の掘り出し物
- 2010/08/19(Thu) -
 引越しのため、上京以来、19年間たまりにたまった荷物や書籍を処分していると、いろいろなものが出てくる。

 例えば昨日、ホッキョクグマの牙や北ベトナム政府軍の防暑帽や、ルースのアマゾナイト、アンモナイトの化石や戸田流の万力鎖などが、押入れの奥から出てきた・・・。


 さて今日の掘り出しものは、書籍が2冊。

 ひとつは、昭和58年初版発行の『図解コーチ 合気道』(鶴山晃瑞著/成美堂出版)である。

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 当時、定価450円だったこの本、もちろん今は絶版で、しかもアマゾンの中古で5600円とかである。

 10倍以上だ・・・。


 この本、タイトルこそ「合気道」だが、内容はすべて大東流なのである。

 また鶴山氏といえば、いわゆる「日本伝」の大東流を唱えた人で、武田惣角直系の久琢磨氏から免許を受けたというが、しかし現在、琢磨会と日本伝は別々の団体・・・、その辺りの内部事情は、私は大東流関係者ではないのでよく解らん。

 それにつけてもこの本、伝系の主張はさておき、技術解説としては今読んでもなかなかに含蓄のある内容である。

 まず第一に、当身技法の解説がたいへん充実している。28ページにわたり、図解で基本と当身技法14本が解説されているのである。

 思うに、戦後の公刊の書籍で、これほど合気柔術系の当身技法を解説した本は、本書が始めてだったのではないだろうか。もちろん、文庫版の小著なので、説明はざっくりだし、当身の後の極めや捌きは口伝としているが、それにつけても、たいへん興味深い。

 私は当時、八光流柔術を稽古していたので、本書の当身解説や帯刀での取り口は非常に参考になったものだ。

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 また、いわゆる手解の基本から1~3教(1~3か条)の取り口について、徒手だけでなく帯刀の形での解説が加えられている点も、たいへん読み応えがある。

 ちなみに私は、これを読んだ中学3年の夏休み、本書を参考にして「剣道・剣術を展開した柔術技法」というテーマで、夏休みの自由研究を発表した。

 もちろん、ほとんどの教師は相手にしてくれなかったが・・・(当時、うちの中学には、剣道部も柔道部もなかったのである!)。

 閑話休題。

 また、「正面打ち技法」、「突き技法」として、半座での短刀取りが13本も解説されており、これもまた非常に参考になる。

 本書は後に、巻末の師伝解説などに問題ありなどと指摘されたこともあったようだし、伝系などの問題もいろいろとあるようだが、それはさておきこの時代に、これだけコンパクトなサイズの本で、しかしこれだけ多岐にわたる興味深い内容を、解りやすくまとめているという点で、実に画期的な武術書だといえよう。

 ただし、これを純粋な合気会系の「合気道」の本として買った読者は、昔も今も面食らうであろうことはいうまでもない・・・(笑)。

 ちなみに、本書に推薦文を寄せているのは、大東流の久琢磨師、和道流の大塚博紀師、新陰流の大坪指方師、神道無想流の清水隆次師と、なんともそうそうたる昭和の武術・武道家たちである・・・。



 さて、次ぎなる1冊は、『甲冑拳法 柳生心眼流』(島津兼治著/日東書院)。

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 いや~、島津先生が若い!

 こちらは昭和54年初版発行。

 当時、私は10歳。

 多分、私が一番最初に買った武術書が、これだと思う。たしか、修善寺駅前の長倉書店で買った気がする。

 当の昔に処分してしまったと思っていたのだが、何の因果か、押入れの奥で眠っていたのだ。

 内容は、心眼流の十八番である素振りをはじめ、剣術や柔術(相対型)、鼻ネジや陣鎌、火縄銃の使い方まで、総合武術の解説書らしい総覧的内容となっている。

 興味深いのは、「二刀小太刀術」の形で、小太刀を手裏剣に打っていること。

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 小太刀や打刀などを手裏剣に打つというと、いまではずいぶんエキセントリックな行為に思われがちかもしれないが、この小太刀二刀術しかり、新陰流の浮舟の形しかり、心形刀流の三心刀しかり、古流では特段珍しいこともない技であったということであろう。

 ただし、この本の写真の打ち方では、たぶん1間半でも偶然以上の確立では刺さらないであろう。

 スナップかけすぎだよ。

 ま、刺すのが目的じゃあ、ないのだろうから良いのだろうケド。


 それにつけても、押入れの奥には、お宝がいっぱいダ(笑)。

 (了)
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