雨過天晴雲破処-青磁の美
- 2008/11/13(Thu) -
 武術・武道と酒、読書以外に、普段使いの雑器や書画を集めるのが私の道楽である。

 とはいえ、当然ながら市井の流れ武芸者という身分だけに、何百万や何十万、いやいや何万もするような品物は、おのずから対象にはならない。せいぜいが数千円前後の、まさに雑器が対象である。

 そしてまた、どうしたわけか季節の変わり目というのは、なにやらこうした物欲が目覚めてしまうものらしく、この秋は『楓橋夜泊』の掛軸を購入。ひとり晩秋の詩にひたっている。


 また陶磁器では、昔から織部が好きなのだが、最近、長年お世話になっている人に贈り物をしようと思い、その人が「青磁が好きだ」ということから、おっとり刀で青磁について予習。すっかりミイラ取りがミイラになってしまった。

 青磁にはまってしまったのである。

 一言で青磁といっても、トルコ石のようなブルーから薄い青、あるいはオリーブグリーンまで、実に様々である。いずれにしても、その究極の色合いは、「雨過天晴雲破処(うかてんせい、くもやぶるるところ)」の色であるとか。

 また青磁器の魅力には、象嵌や貫入、あるいは須恵器風にも見える鳳凰耳などの造形がある。そしてどうも、私はこの鳳凰耳のデザインにやられてしまったようで、さっそく購入したのがこの花入である。


seiji


 このシンプルな鳳凰耳の造形からはなにかオリエンタルな、しかしみっしりと草木が生い茂り湿気と陽光に満ちた南アジアというよりも、侘びた東アジア的な美意識、あるいは中東でよく目にするモザイク画やタイル美術に見られるような、乾いたオリエンタリズムを感じてしまうのだ。


 雨上がりの空に見る、澄みとおる青。

 どうもしばらくは、青磁の魅力から逃れられそうにないようだ・・・。
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