武芸徒然草/(武術・武道)
- 2010/11/03(Wed) -
 最近、真下から相手の裏小手につける斬上の抜付に思うところがあり、ふと思いついて台所で抜いたりしていた。

 以前の練馬のアパートは庭があったのでこういうときは気兼ねなく剣が振るえたのだが、今度は団地の2階なので、思いついても外で抜刀の稽古などできない。さりとて、室内は仕事場と寝室と台所の3部屋なので、一番広い台所でしかできないわけだ。

 しかも、台所もけして広くないので、大きく抜き付ける横払いは到底できないが、鞘離れから物打ちを一気に飛ばして相手に付ける抜付はなんとかできる。

 そして、鞘離れから真上へ斬上は・・・、こういう狭い場所に最適ではないか!

 しばらく、自宅での稽古は、斬上専門だ。


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 無冥流の鈴木崩残氏から、過日行ったM氏への剣術稽古の際の、動画をまとめたCDをいただいた。

 M氏が帰国後も参考にできるよう、翠月庵の基礎剣術(素振り)と初級剣術(組太刀5本)、基礎抜刀術、その他指導風景を収めたものだ。

 これまで手裏剣の打剣や刀法併用手裏剣術の形は、動画をアップするために自分の演武を見たことがあったが剣術や抜刀術に関しては、動く自分の姿を見るのは、この28年間で初めてであった。

 感想としては、我ながら人様に披露するような業前では到底ないけれど、最低限、初学の人に指導する程度にはなんとか許容範囲かな・・・というところで、ちょっとは安心した次第。

 それにつけても、自分の動きを客観的に見るというのは、いろいろと勉強になるものである。

 こうした意味で、武術・武道の道場や稽古場には鏡がたいがい置いてあるものだ。ことに、ひとり稽古が中心となる抜刀術や居合では、鏡は大切な稽古補助具となる。

 がしかし、これもまた一長一短なのである。

 必要以上に鏡を見る癖がついてしまうと、鏡を見ないで動くのが、不安になってしまう人がいる。

 あるいは、形の最中に、ついついちらちらと鏡に視線を送るくせがつく人もいる。

 こうした「鏡を見るくせ」は、一度付いてしまうと、直すのになかなかに厄介なものである。

 そういう意味でも、鏡はあくまでも稽古の補助具であり、基本的には鏡など見なくとも、普段の基本と形の稽古で、正しい姿勢、正しい太刀の道(刃筋・刀勢)が習得できなくてはならないと心得るべきであり、その補助としての鏡としておかないと、足元を救われてしまいかねない。

 まあ、当庵のように、野趣あふれる野天道場の場合は、そもそも鏡の設置しようもないのだけれども・・・。


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 一身上の都合で昨年末から、29歳から約10年間続けてきた空手道の稽古を、中断したままである。

 おまけに転居で、これまで所属していた会の稽古場に平日に通うのは、事実上困難になってしまったので、9月から正式に休会をしている。

 しかし一方で、肉弾戦系の稽古を1年もしていないと、当然ながら体がなまってしょうがないのである・・・。

 また手裏剣術や剣術・抜刀術などといった、センシティブな稽古ばかりしていると、私の中の流れ武芸者の血がうずくのである。

 「あ”~人間相手に、殴る蹴る、投げる極めるがしたい!」と(爆)。

 しかし現実的に、今の住居と自宅での仕事という環境、週末の翠月庵の稽古を考えると、これまでの会派の稽古場に通うのは、時間的にも距離的にも、かなり難しいのが実情だ。

 そこで、新たに自宅近くで、平日に通える所がないかと、つらつらと考えている。


 考えてみれば、すでに四半世紀を超えた自分の武術・武道人生の中で、せっかく10年も続けてきた空手道の稽古を中断してしまうというのも、いささかもったいない気がする。

 一方で、現在41歳の自分の限りある人生の中で、残りの武術・武道人生での新規学習可能な時間を仮に20年と考えると、新たに何かを学び直すチャンスは残り1~2回、いや加齢による身体能力の低下を考えれば、1回が限界かな・・・とも思う。

 そういう意味で、改めて新しいものを、新たな師について学んでみたいという気持ちも強い。

 ただし、会派・流儀を代えて空手道の稽古を継続するにしても、あるいは新たな他武術・武道で学びなおすにしても、その際の必須の条件は、翠月庵の継続であることは言うまでもない。


 いやいや・・・、ならば翠月庵の稽古回数をもっと増やして、平日もやる? というのも一理あるなあ・・・、などと、自問自答を繰りかえしている今日この頃である。


 いずれにしても、人生の時間は限られており、そして自分は、すでにその折り返し地点をとうに過ぎているであろうことは間違いないのだ・・・。


(了)
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