手裏剣の当て方/(手裏剣術)
- 2011/02/04(Fri) -
 「手裏剣の避け方」を書いた後、「次回は手裏剣の避け方を・・・」としてしばらく過ぎた。

 つらつらと思っていることはあるのだけれど、よくよく考えてみると、「手裏剣の避け方」というのは、ひとりのやっとう遣いとしての私の見方であるわけだが、こと「手裏剣の当て方」となると、手裏剣術伝習所・翠月庵の代表であり、手裏剣術を表看板にしている私・市村翠雨のレゾンデートルにも関わることであると、改めて実感してしまった。

 有り体に言えば、「手裏剣の当て方」というのは、戦術面での手裏剣術の極意であるわけで、そうそう簡単に公開するわけにもいかぬな、ということである(笑)。


 とはいえ「書きます・・・」と宣言してしまった手前、ひとつ言えることは、的と違って、相手は動くということである。さらには、相手は動いてこちらに攻撃を加えてくるということだ。

 このように、自由意志をもって動く相手に手裏剣を的確に当てるためには、「起こりを打つ」か、「尽きたるを打つ」かの、いずれかしかない。

 ことに、間合の対抗不能性を最大の武器とする手裏剣術においては、相手の「起こりを打つ」ことが、第一の眼目となる。

 一方で、根岸流の「蟹目の大事」に象徴されるように、武技としての手裏剣術の究極の極意が、生死一重の至近の間合からの、全身全霊の一打であるとすれば、それは形而下の距離的には、上記の「間合の対抗不能性」とはまったくの対極でありながら、本質的にはまったく同じ一打であり、しかも同様に相手の「起こりを打つ」ものとなるであろう。

 いずれにしても、「手裏剣の当て方」の眼目は、間合が遠かろうが、近かろうが、「相手の起こりを打つ」こと、これに尽きる。

 間違っても、相手の「尽きたるを打つ」=後の先を狙ってはならない。もしそうなれば、剣術者に斬りたてられて、追いつめられるのが関の山だ。

 では、手裏剣術者が剣術者の起こりを打つにはどうすれば良いのか? 

 目付けの初歩は、相手の両拳と腕のかがみ具合である。

 さらに根本の目付けは・・・、これは口伝だ。詳しくは、翠月庵での実伝で学んでいただきたい。

 もっとも、普通に武芸を嗜んでいるものであれば、ことさら指導されなくとも、「起こり」の打ち方は分かるであろう。その拍子を逃さずに打剣すれば、剣は間違いなく相手に的中する。

 これに加えて、実打と虚打を組み合わせることで、より実用的な手裏剣の当て方が可能になり、さらに刀法(剣術や居合・抜刀術)を組み合わせることで、その攻防は立体的なものとなるはずだ。

 なお、この刀法と手裏剣術の組み合わせは、実体としては二刀流と同質の武技となるのだが、これについては、稿を改めて述べることとする。

(了)
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