ある武友への手紙
- 2011/05/07(Sat) -
A大兄


 お手紙、拝読しました。

 それにしても、懲りないというか、なんというかですね(苦笑)。

 「彼らは、そもそもコミュニケーション障害者同士。いずれ揉めるでしょうから、そう長くは続かないでしょう」

 とのこと。

 私もそのように思います。

 しょせんは邪悪な意図で引き寄せられた者同士でしょうから、いずれ自滅することでしょう。


 それにつけても思うのは、我々、武術・武道人のかかえる自己顕示欲と執着という問題です。

 私は普段から、できるだけ武術家や武道家らしく見られないよう、気取られないように心がけています。

 いわゆる「武張らない」ことが、兵法の第一歩だと考えるからです。

 武張らずに、相手を油断させることは、兵法における対抗不能性のひとつですから。

 私は平素、和服で過ごしていますが、「武道関係の方ですか?」と言われることは、ほとんどありません。

 最も頻繁に言われるのが、「日本舞踊の先生ですか?」との言葉です。

 これは、「武張らない」ことを第一に考えている武術・武道人としては、最高にうれしいほめ言葉です。


 それでも時折、知らず知らずのうちに、自分の強さを誇示するような言動や態度をとることがあり、われながら「未熟だ」と唇を噛む事しきりです。

 そういう意味で、エセ武術家の自己顕示欲や、武器マニアの武具に対する執着心は、私を含めた武術・武道関係者、だれもが陥る可能性のある“魔境”のひとつではないかと、しみじみ思います。

 強がりや執着は、結果として心=身体をその場に固着させる「居着き」を生み出します。

 そして「居着き」は、己の業を殺すものです。

 自戒せねばなりませんね。

 市村 拝
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