寒日雑話/(身辺雑記)
- 2012/12/02(Sun) -
 昼酒の肴にブリしゃぶをつつきながら、10数年ぶりに、三船敏郎、チャールズ・ブロンソン、アラン・ドロン主演の名作西部劇『レッド・サン』を鑑賞。

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 サムライがアメリカを舞台に活躍する映画と言えば、真田広之の『EAST MEETS WEST』(イースト・ミーツ・ウエスト)や、藤岡弘、主演の『SFソードキル』などがある。

 『EAST MEETS WEST』は、岡本喜八監督作品ならではの軽妙な佳作だけれど、当時の真田広之は、まだどうしてもジャック臭さが抜けておらず、なんとなく尻がむずむずするような違和感がある。

 この「尻がむずむずするような違和感」というのは、日本の映画やドラマのアクション、なかでも銃を使ったシーンに共通する、こっぱずかしさと言い換えてもいい。

 まあ、国民のほとんどが、拳銃はもちろん、小銃や散弾銃も一度も撃ったことがないのだから、それは仕方があるまい。言い換えればどんなにタランティーノが日本映画が好きでも、「キルビル」のチャンバラシーンは、結局"ガイジン”さんが演出したものだよな・・・、という残念感と同じなのである。

 一方で藤岡弘、主演の『SFソードキル』というのは、これまたなんともカルトな映画で、アメリカ人の作り出す奇妙な日本感および日本人像、そしてサムライ描写がひたすら炸裂するという怪作である。暇と金のあまっている人は、見てもいいかもしれない。私は、高校生のころに見たけど、たぶんもう見ないだろう・・・。

 これらに比べると、『レッド・サン』におけるサムライの描写や、三船敏郎の所作やチャンバラなどの演出は、外国人監督作品としては、たいへんまともだなあとしみじみと思った。

 手裏剣も小柄ではなく、それ専用っぽい小柄型の専用手裏剣を3間以内くらいの間合で使ってたので好感がもてる。さらに騎乗での斬撃シーンは、『隠し砦の三悪人』を髣髴とさせる、三船の十八番といった感じである。

 さすが“世界のミフネ”。男は黙ってサッポロビールだ(わからない人は、いいんです、わからなくて・・・)。


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 昨日の稽古では、久々に打ち込んだ手裏剣の剣尾に、次に打った手裏剣が刺さった。

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 私程度の腕では狙ってできるものではないが、年に数回は、こういう打ち込みがある。

 ここのところ、仕事のトラブルが続いていたのだが、これで厄落としになったかもしらん(笑)。


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 剣術の組太刀で、昨日は参考技として「斬上」を解説した。

 割合有名な著者の居合系の何かの本で、「相手にとって、下段から上段に斬り上げられる技は、剣術には見られないものであり、居合・抜刀術ならではの技術である、云々(意訳)」という記述があったのだが、神道流系でも新陰流系統でも、相手の裏小手を狙っての斬り上げ系の技は、割合一般的であるし、やっとうをたしなむ者なら、大概は知っているし、遣えるのではなかろうか?

 同じような間違いに、体術における「小手返し」がある。

 昭和時代の終わりから平成のはじめあたりの一部武術書には、「小手返しは、合気道特有の技」というような記述があった。

 これも馬鹿馬鹿しい話で、小手返しなどというのは、日本の柔術ではごくごく普遍的な技であり、大概の流派に伝えられているものだ。それどころか、空手にも普通にある技だ。むしろ合気道特有の技というなら「入り身投げ」であろう。

 このような誤りがまかり通っていたのも、昭和から平成初期の頃の話であり、ネットが人々の生活の隅々にまで普及し、なにかあればすぐに疑義が示され、異論が唱えられ、公の場で検証されてしまう現代からは考えられないくらい、ある種牧歌的な時代だったのだなと思う。

 そういえば、日武会の武道通信教育講座とか、マス大山おすすめの握力増強マシーンとか、最近は見ないし聞かないねえ。

 昭和は遠くなりにけり・・・。

(おしまい)
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