再び、「監獄長光」
- 2012/12/17(Mon) -
銘「長光」。

 2尺2寸1分、反り4分 元幅1寸5厘、先幅7分7厘、元重2分6厘、先重1分8厘。

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 昭和初期、市原長光の作。陸軍受命刀匠。昭和19年陸軍軍刀技術奨励会入選。平成の兜割試斬の剛刀としても知られる。銘は「一龍子長光」「市原長光」などとも切る。

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 先の大戦中、当時の岡山刑務所内での授産事業として鍛刀を行ったとされ、「監獄長光」「刑務所長光」などの異名もあるが、近年の研究では、これに対する異論もある。


 本作は身幅3.2~2.35cmとやや広めで、重ねも元重8.0㎜、先重5.5mmと厚め。ただし、棟の側肉が落とされている、鵜の首造り風になっており、操刀の際に「重い」とは感じられない。

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 刃文はのたれに丁字風乱れを加え、沸え崩れや飛び焼きも有る。拵は現代のもので、鞘は紅色に金散らしとなる。

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 実際に操刀してみると、元幅8ミリ、身幅32ミリという剛刀ながらバランスがよく非常に軽く感じる。さらに適度に重心が剣先にあることから、切先がよく「走る」感覚が心地よい。

 美術刀剣としては価値の低い「長光」だが、武術・武道関係者には非常に高い評価を受けているというのもうなずける。

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 金満家のコレクターではなく、武用に供する者のために鍛えられた剛刀を、約70年の時を越えて、今お預かりすることを、武人として光栄に思う。

 長く、愛用していきたい。

(了)

 ※写真は販売店のHPからお借りしました。
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