小柄や笄は「手裏剣」ではない?/(手裏剣術)
- 2013/01/21(Mon) -
 時折、手裏剣術をあまりご存知ない方が、

「時代劇などで小柄や笄を手裏剣のように投げるシーンがあるが、これらは手裏剣ではないので、実際には使えない・・・」

 などと、おっしゃる。


 手裏剣術屋として言わせてもらうと、まともに稽古をしている術者であれば、2間くらいまでなら、小柄(小刀)でも笄でも、手裏剣に打って刺中させることはごく簡単だ。

 稽古すれば、3間でも十分いけるだろう。それ以上は、なかなか難しいかもしらんけど。

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 ▲小柄(小刀)と笄(ウィキぺディアより引用)


 たしかに小柄(小刀)や笄は、それぞれ固有の日常生活用具で、武具としての手裏剣ではない。しかし、心得ある手裏剣術者であれば、火急の時に小柄や笄を「手裏剣に打つ」ことは、ごく常識的なことである。

 たとえば古流の伝書には、「着座するとき、煙草盆を右の手元の置いておくのは、手裏剣術者の心得である、云々」と記されている。

 なんかあったら煙草盆を手裏剣に打て=ぶん投げろ! という意味だ。

 このように、手裏剣とは武具の「固有名詞」であると同時に、物体を投擲する行為そのものを示す「動詞」でもあるわけだ。

 よって手裏剣術者たるもの、脇差や打刀などの武具はもちろん、小柄や笄、馬針や貫級刀などの日用品、さらには身の回りのあらゆる事物を「手裏剣に打つ」、精神の柔軟性がなければならない。

 まあ、あまり異物投擲に耽溺してしまっては、術の本道を誤ってしまうが、術者としてある程度、異物投擲の経験をしておくことは、現代の手裏剣術者にとっても重要である。

 ちなみに私の得意な異物投擲は、文庫本。

 ただし、京極夏彦氏の著作は不可である(笑)。理由は・・・、手にとってみれば分かるはず。

(了)
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