切り結ぶ太刀の力/(武術・武道)
- 2013/02/05(Tue) -
Q.
 当庵の剣術の稽古では組太刀で激しく切り結ぶものがありますが、その際、相手の打ち込みに力負けしないようにするには、どうしたらよいでしょう?

A.
 まず、それを「力負け」と考えてしまうと、道を誤ってしまうので注意したい。

 切り結ぶ(木)太刀の力というのは、けして「腕力(かいなぢから)」ではない。その力は、「腰の力」であり、もっと分かりやすくいえば、全身の統一力である。ゆえに、リストカールなどで、あえて前腕の筋力を個別につける必要はない。

 ではどうするか? 素振りをすることである。

 正しい素振りは、全身の統一力を養成する、もっとも重要な稽古である。当庵の稽古では基本の素振りのほか、重い木太刀を使い一文字腰での巻太刀を繰り返す古流の素振りも行うが、これをみっちりと繰り返すことで、「腰の力」が養成される。

 流儀や師範によっては、市販されている六角や八角の重い素振り用木刀の使用をすすめることがあるが、組太刀で使う木太刀そのものがかなり太く重いものだったことから、旧師は「あえて素振り用のものを使う必要はない」と話していた。

 私個人としては、こうした素振り用の木太刀の使用も、悪くはないと思っている。

 ただし、それを使う際には、必ず運足を用いて、全身の統一力で操作し、正しい動きでの素振りを心がけねばならならない。上半身の力だけ、腕の力だけで振ることは、百害あって一利なしである。


 切り結んだ際に相手に打ち負けないコツは、そのほかに、

・姿勢(構え)
・肘の使い方
・手之内
・心法

 などに口伝があるが、これらは直接、稽古場で伝えるので略す。

 いずれにしても、木太刀=刀は、腕力で振るものではなく、腰の力で斬るものである。ゆえに、力まかせに振り回したり、むやみに力を入れるのは、「強みの太刀」として戒められるのだ。


 これは打剣においても同じで、腕力だけで振り込むような打剣では、おのずから壁にぶつかるものだ。

 全身の統一力を、いかに7~8寸の剣にのせて、離隔の間合から、十分な威力の剣を放つか?

 手裏剣術者は、ここに意を注がなければならない。

 (了)
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