演武に向けて/(手裏剣術)
- 2013/04/07(Sun) -
 次の週末は昨年に引き続いて、岐阜・苗木城での演武である。

 いつもながら、演武の前には独特の緊張感がある。

 武芸の中でも手裏剣術の演武は、刺さるか刺さらないかが一目瞭然なこと、また観客のほとんどが手裏剣の実技を知らず百発百中だと思っていることに、厳しさと難しさがある。

 理論的には、緊張すると力み、手首に力が入り、手離れが遅くなるから、首が落ちあるいは抑えすぎて、的に刺さらなくなる。

 実にシンプルで、単純なことだ。

 しかしそれが頭で分かっていても、身体で現実に対応できないから、普段の稽古ではたやすい2間や3間の近間でも、演武で失中してしまうのである。

 逆説的に言えば、だからこそ多くの人の視線にさらされ精神的なプレッシャーのかかる公の場での演武は、イコール現代の手裏剣術者にとっての真剣勝負なのだ。

香取神宮での演武
▲2007年、千葉県の香取神宮本殿前にて、刀法併用手裏剣術
の奉納演武。この当時はまだ、1辺11ミリ断面四角の、無冥流
の穴あき剣を使っていた


 斯術の先達の方々に比べれば、私など末席の未熟者。本来は、いまだ他人様の前で術を披露するような腕前にあらず。なれどこれも真剣勝負の場として、あえて己の未熟をさらす次第。


「生死一重の至近の間合からの、渾身の一打」


 それを目指す精進の道しるべとして、今回も恥を恐れず、無心にその「場」に臨もうと思う。

 (了)
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