放り投げた試物の抜き打ち~本日の稽古備忘録~/(武術・武道)
- 2013/05/03(Fri) -
 本日の稽古備忘録。


 打剣の後、居合を少々。途中、居合の形稽古の合間に“座興”として、立合で試物を宙に放り投げて、それを抜き打ちに斬る。

 試物は、ティッシュペーパーを拳大に丸めてテープで留めたもの。これをひょいと放り投げて、逆袈裟や横一文字で抜き打ちに斬る。

 この稽古の要点は、鞘離れの拍子と試物の動きの拍子を合わせることであり、試物の動きの予測=読みがポイントだ。

 ゆえに、どんなに抜き付けそのものの速度が早くても、鞘離れの点の間の拍子と試物の上昇~落下の拍子が合わなければ、試物の真芯を捉えることはできない。逆に、抜き付けの速度そのものがゆっくりでも、離れの点の間の拍子と試物の動きの拍子が合っていれば、容易に試物の真芯を捉えて斬り飛ばすことができる。


 このような拍子の効果は、体術における当身や投げでもまったく同じだ。

 当てと相手の動き(呼吸も含む)の拍子がぴったり合えば、ごく軽い当身でも、相手は簡単に悶絶する。しかし、当てと相手の動きの拍子が合っていなければ、渾身の力を込めた突き蹴りを急所といわれる場所に当てても、アドレナリン全開で身構えている人間は、容易に倒れないものだ(唯一、眼球という急所は別)。

 素人同士の喧嘩の際、打ち所が悪く思った以上に大きな怪我を相手に負わせてしまったり、場合によっては死に至らしめてしまったというようなケースがあるが、これは偶然、当てと相手の動きの拍子、そして打ち所(急所)が合ってしまったことが原因であることが多い。

 なお、放り投げた試物を抜き打ちで斬るというのは、見た目が見世物の“大道芸”そのものなので、用の美を尊ぶべき武術・武道人は、けして人様の前でやるべきではない。

 こういう稽古は、“こっそり”やるものなのだ。

 しかし、畳表や竹などを使った一般的な斬りの稽古(試斬)では、試物そのものは固定されて動かないので、こうした動的に対する稽古を補助的に取り入れる意義は大きいだろう。


 手裏剣術。

 向身の姿勢の打剣では、正中の軸をベースにして打つと打剣がずれるので、右側の体軸をベースに、右前腰を基点とした「意識の顕在化」を心がけることで、打剣の精密度が高まる。

 剣の姿勢の乱れは、構えの乱れ。同時に、手離れを惜しまないこと。

 これら複数の繊細な動きを、同時多発的に一瞬で行うことが、手裏剣という“術”の妙味である。

 そりゃあ、難しいわけだ(笑)。

 (了)
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