いたむ人/(身辺雑記)
- 2013/07/22(Mon) -
 親しい人が、非常に苦しい療養生活を送っている。

 身近にいる者としては、少しでも力になりたいと思うのだが、どんなに近しい存在でも、実際のところ他者にできることというのはあまりない。

 そもそも、「非常に苦しい療養生活」といっても、ではそれがどのくらい苦しいものなのかを、当人と同じように五感で感じることは不可能だ。

 斬られた痛みは、本人にしか分からない。

 結局のところ他者にできるのは、その人のいたみを慮ることしかないのであろう・・・。


 今年2月に亡くなった12代目市川団十郎は、晩年、白血病に倒れ厳しい闘病生活を送っていた。何かのインタビューで、団十郎は記者に闘病の辛さ、苦しさを聞かれ、

 「無間地獄のようだ」

 と語っていたが、その無間地獄のような苦しみは、どんなに言葉を尽くしても、本人以外には分からないものなのだろう。

 
 いたむ人を目の前にして、他者という存在である自分の無力を感じること。

 つまるところ己にできることは、それくらいしかないのだろう。

 (了)
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