『はだしのゲン』閲覧制限事件に思う/(時評)
- 2013/08/27(Tue) -
図書館の自由に関する宣言


 図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することをもっとも重要な任務とする。(中略)。この任務を果たすため、図書館は次のことを確認し実践する。

第1 図書館は資料収集の自由を有する
  (以下、略)

第2 図書館は資料提供の自由を有する

 国民の知る自由を保障するため、すべての図書館資料は、原則として国民の自由な利用に供されるべきである。
  図書館は、正当な理由がないかぎり、ある種の資料を特別扱いしたり、資料の内容に手を加えたり、書架から撤去したり、廃棄したりはしない。
  (以下、略)

第3 図書館は利用者の秘密を守る
  (以下、略)

第4 図書館はすべての検閲に反対する

 検閲は、権力が国民の思想・言論の自由を抑圧する手段として常用してきたものであって、国民の知る自由を基盤とする民主主義とは相容れない。
 (中略)
  検閲と同様の結果をもたらすものとして、個人・組織・団体からの圧力や干渉がある。図書館は、これらの思想・言論の抑圧に対しても反対する。
  それらの抑圧は、図書館における自己規制を生みやすい。しかし図書館は、そうした自己規制におちいることなく、国民の知る自由を守る。


  図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。

  図書館の自由の状況は、一国の民主主義の進展をはかる重要な指標である。(中略)。図書館の自由を守る行動は、自由と人権を守る国民のたたかいの一環である。

 (以下、略)

 1954年  採 択
 1979年  改 訂                                     
                                       社団法人 日本図書館協会

1308_図書館の自由に関する宣言
▲(出典:図書館の自由に関する宣言/http://www.jla.or.jp/library/gudeline/tabid/232/Default.aspx

       *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *


「はだしのゲン閲覧制限」(時事通信)

 故中沢啓治さんが被爆体験を基に描いた漫画「はだしのゲン」について、松江市民が昨年8月、「間違った歴史認識を植え付ける」として市議会に学校からの撤去を陳情。市議会は不採択としたが、市教育委員会は同12月、女性への暴行や人の首を切る描写が残酷だとして全小中学校に対し、子どもが希望しなければ閲覧できない閉架措置を求めた。各校で対応が分かれたため、今年1月にも要請したが、いずれも教育委員の会議には諮られず、当時の教育長らが判断していた。(2013/08/26-16:32)


       *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *


 『はだしのゲン』の内容や方向性についての是非・好悪は別として、特定の書物に対し、特定の人々の意見に基づいて、閲覧に制限を加えるような学校の図書室や地域の図書館しかない町には、私は住みたくない。


1306_座頭市

 嫌な渡世だなあ・・・。

 (了)
スポンサーサイト
この記事のURL | 時評 | ▲ top
| メイン |