質問力/(身辺雑記)
- 2013/10/07(Mon) -
 過日、とある著名研究者の講演会にいった。

 講演の最後、質疑応答の時間があり、何人かの受講者が「質問」をしたのだが、そのあまりのひどさに閉口してしまった。質疑応答とは、質問と回答のやり取りである。しかし、彼らの「質問」は、演者への問いかけではなく、そのほとんどが「自分語り」であった。

 その道の専門家に疑問を問いかけるのではなく、著名な演者に対して自分がいかに彼(講演者)を尊敬し崇拝しているのかを朗々と語る・・・。

 そりゃあ質疑応答じゃあねえだろう。

 しかし演者は、そんな愚問にも角が立たないよううまく応えていて、「さすがに著名人は、人あしらいがうまいのう・・・」と感心した。

 私が質問を受ける側だったら、「それは質問ではなく、あなたの感想ですよね?」とか言って、会場の空気をどんよりさせてしまうだろうなと思う。


 「質問」をするためには、疑問点や問題点を明確にし、なおかつそれを「コトバ」として他者に正しく伝えなければならない。そのためには、まず自分の課題(疑問・質問)を客観的に把握し、整理する必要がある。

 課題に対する認識力が未熟なうえに、それを伝える言語能力が低いのであれば、その問いは「質問」にはならず、限りなく「自分語り」になってしまうのも当然であろう。

 的確で簡潔な「質問」ができるかどうかで、その人の人間としての器量を推し量ることができる。

 ありていに言えば、どんな技芸の世界でも「ぬるい質問しかできないようでは、お里が知られるぜ」、ということだ。
 
 (了)
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