手裏剣の不適切な携帯方法について/(手裏剣術)
- 2013/10/22(Tue) -
 いやあね、あたしゃあ以前(まえ)から気になっていたンですけれどもねえ。

 なんで、鉢巻しめて、でこに手裏剣を挟むんだと・・・。

 こんなのとか、

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▲『長七郎江戸日記スペシャル「血闘・荒木又右衛門」』(日本テレビ/1986年)の里見浩太郎さん。一般的な手裏剣というより、当庵の翠月剣のような大きな短刀型(?)である


 あるいは、こんなのとか、

78伊賀の水月
▲『伊賀の水月』(大映/1942年)の阪東妻三郎さん(古畑任三郎のお父さん)。こちらは小柄小刀風


 はたまた、こんなんですよ、えぇ、まったく・・・・。

人物日本剣豪伝〈3
▲『人物日本剣豪伝〈3〉荒木又右衛門・柳生連也斎ほか 』伊藤桂一ほか著(人物文庫/2001年)の表紙の絵。こちらも小柄小刀風


 普通ね、どう考えても、あんた、手裏剣を鉢巻にゃあ、挟まないでしょうよ。

 しかも荒木又右衛門さんといやあ、お江戸でその名を知られた、新陰流の剣豪なんだから・・・ねぇ。

 こんなんで動き回ったら、自分のでこが傷だらけになって、もう血まみれになっちまうってもんですよ、えぇ、ほんとに。

ブッチャー
▲でこ流血のイメージ(協力/アブドーラ・ザ・ブッチャーさん)


 ちなみに、今から168年ほど前、いわゆる幕末よりもちょっと前の弘化2(1845)年に発行された『本朝剣道略伝』に描かれた荒木又右衛門さんは、こんなです。

荒木_江戸錦絵
▲『本朝剣道略伝』一勇斎国芳著(上総屋岩蔵/1845-1846)の錦絵。当然ながら、でこに手裏剣は挟んでいないのは、言うまでも有馬温泉


 さすがに江戸時代の人が書いただけあって、まあ、でこに手裏剣挟んだりはしてません。

 それが20世紀になると、荒木又右衛門といえば、やっぱりこれですから、まぁ、いけません。こうなると、もう、手裏剣用の小柄小刀が、ティアラみたいですな・・・。

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▲『日活映画の100年 日本映画の100年』東京国立近代美術館フィルムセンター企画展のポスター(2012年/人物写真は1925年公開の尾上松之助『荒木又右衛門』より)


 ちなみに、正しくは手裏剣は、

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▲『図解 手裏剣術』藤田西湖著(名著刊行会)より。本書では藤田師も、映画などで鉢巻に手裏剣を刺して携帯するビジュアルイメージが流布していることに対し、「あんなことは絶対になかったことである」と指摘している


 このように携帯するってなもんです。くれぐれも、お間違えのないようにどうぞ。さもないと、こんなんなっちまいますヨ・・・。

ブッチャー2
▲でこ流血後のイメージ。『ブッチャー 幸福な流血―アブドーラ・ザ・ブッチャー自伝』アブドーラ・ザ・ブッチャー(東邦出版/2003年)より

 (おしまい)
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