刀法併用手裏剣術における「陰剣」の心得/(手裏剣術)
- 2013/10/23(Wed) -
 武術としての手裏剣術について、これを「隠し武器」の術として捉える向きがある。

 しかし当庵では、手裏剣術特有の間積もりに関する「対抗不能性」に着目し、 「手裏剣術は、剣術における二刀遣い(逆二刀)のいち形態」と定義し、これに基づいての稽古を主眼にしている。このため隠し武器としての手裏剣術には、さほど重きを置いていない。

 むしろ手裏剣を隠さずにしっかりと構え、打剣せず、抜刀することなく、位で詰めて勝ちを得ることを、最上の「勝ち口」としている。


 一方で、当然ながら武芸として考えると、「隠し武器」というものは非常に有効な武技であり、こうした面での「対抗不能性」にも十分に留意しておく必要がある。

 なお時折、「大型の手裏剣は、隠し武器として使えない」といった、的外れな批判をする者もあるようだが、これについてはすでに無冥流の鈴木崩残氏が、その著書『中級手裏剣術』で詳細に反論・解説されているので、いまさら私が能書きを述べるまでもない。興味のある人は、ぜひ同書を参照されたい。

 いずれにしても、全長4~5寸の小型軽量剣はもちろん、8寸ほどの当庵の翠月剣や1尺の無冥流長剣でも、十分に隠し武器として運用することが可能である。


 さて、刀法併用手裏剣術における、教えに「陰剣」がある。

 これについては、藤田西湖著の『図解 手裏剣術』で、その詳細が解説されている。

 要約すると、通常、手裏剣は袴の前腰辺りに手挟んでおくが、これとは別に「陰剣」として、懐中、あるいは後腰(袴の腰板の裏部分)に、手裏剣を隠して手挟んでおくというものである。

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▲『図解 手裏剣術』藤田西湖(名著刊行会)より、刀法併用手裏剣術における、「陰剣」の解説


 実際に稽古をしていると、懐中の「陰剣」は、前腰に手挟んでいる手裏剣や打刀・脇差に干渉して動きを妨げるので、当庵では後腰に秘匿するよう指導している。

 なお、秘匿している「陰剣」をどのように運用するのかは、実伝にて解説するので、本稿では略す。

 (了)
 
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