「昔の原稿アーカイブ」はじめます/(昔の原稿アーカイブ)
- 2013/11/05(Tue) -
 場末のライターなどというちんけな商売をしていると、B級グルメから神経筋疾患まで、雑多なテーマを取材・執筆し、それを文字にして、ピンは全国紙や大手出版社の雑誌、キリは発行部数100部単位のミニコミやここのブログまで、幅広い媒体に原稿を書いている。

 すると、たとえばかなり力(リキ)を入れて取材し、書いた原稿が、大手出版や全国紙での掲載となれば、それはそれだけたくさんの人の目にふれ、読まれるので、筆者としては異存はない。

 しかし、それが小規模な媒体に掲載されて、ほとんど人々の目にふれず、ましてや媒体そのものが廃刊などになり、人知れず埋もれてしまうのは、とても悲しい・・・。

 そこで、いろんな媒体で書いた原稿のなかでも、埋もれてしまうのはおしいものについて、本ブログで「昔の原稿アーカイブ」として保存・掲載していこうかと思う。

 なお、これらの原稿は、さまざまな媒体で、それぞれの雰囲気に合わせた構成や文体で書かれているので、語り口に統一性がないのは、ご了承いただきたい。

 というわけで、時間つぶしにでも、読んでくだされ。



日本人と病気~消えた「癪」や「中風」

 医学の発達は、多くの病気を制圧し、人の寿命を延ばしてきました。

 古代人を恐れさせた痘瘡(天然痘)は、日本だけでなく世界でも制圧され、1980年にWHOが根絶宣言を行いました。天然痘は、現在自然界においてウイルス自体が存在しないものとされ、人類が根絶した唯一の感染症となっています。痘瘡のように根絶とまではいっていませんが、かつては日本人の国民病と呼ばれた結核や脚気も、現在では比較的珍しい病気となっています。

 このように、病気そのものが制圧されて消えていくことのほか、病気の概念が変わったことから、人々の間から消えた病気もあります。江戸時代、突然差し込む腹痛について、男性の場合は「疝気(せんき)」、女性の場合は「癪(しゃく)」と呼びました。疝気の多くは脱腸だったと考えられ、癪は胃痛、生理痛などから来る腹痛の総称とされています。このように、その病気が西洋医学の考え方で改めて分類されたことから、疝気や癪という病気はなくなってしまったのです。

 同じような歴史的経過をたどった病気に「中風」があります。中風は半身不随の状態を指す言葉ですが、現在はその原因である脳卒中や脳梗塞、脳出血などという原因が病名になったため、あまり使われなくなりました。しかし東洋医学では、いまだに中風は重要な病名となっています。

 (了)
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