豆州紀行~09冬~/(旅)
- 2009/02/09(Mon) -
■今回のテーマは「心の旅」

 今年の正月は仕事で帰省できなかったので、この週末、急遽3日間の休暇が取れたことから伊豆へ向かった。

 各駅停車を乗り継いで帰るのもおつかと思ったが、タイミングよく東京から伊豆箱根鉄道の修善寺駅に乗り入れる特急踊り子115号があったので早速切符を購入。列車に乗り込む。

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▲旅の道連れは、東京の地酒「夷」と深川飯。そして秩父困民党のルポ


 踊り子号の魅力は、なんといっても、東京駅から乗り換えなし、ダイレクトに修善寺まで直行できることだ。おまけに1日の運行本数もそれなりにある。ほろ酔い気分で車窓を眺めながら、2時間6分で我が故郷修善寺に到着である。


 さて、今回の旅のテーマは、「心の旅」としてみた(笑)。

 そこで、修善寺駅で「天城路フリーパス」という2日間バス乗り放題のチケットを購入。まずは旧天城湯ヶ島町の青羽根に向かった。ここは、私にとって一番古い記憶にある土地で、集落にある狩野幼稚園と狩野小学校は母校である。

 小学校はほぼ当時のままであったが、残念ながら幼稚園は既に移転しており、現在は更地で門柱を残すのみであった。一方で幼稚園の向かいにある青埴神社は、36年前のままの姿で現在も建っていた。

 よく拝殿の床下にもぐって、アリジゴクを探して遊んだものである。

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▲青羽根の集落を見渡す小高い場所にあった旧狩野幼稚園。門柱は当時
  のままである

 神社でしばし追憶にひたったあとは、国道136・414号をさらに南へ向かう。

 小学校の近くにあった文房具屋や模型店は、いずれも閉店していたが、夏休みにプールの帰りによってかき氷を食べた菓子輔は、昔のままの姿で営業をしていた。

 昔も今も天城の名物である「出口の黒玉」で有名な出口まで歩く。

 街道沿いの民家は、30数年前のままの建物もあれば、跡形もないところもある。国道から路地に入ると、あの頃のままの石垣や消火栓が残っており、なんとも奇妙な感覚だ・・・。

 歩き飽きたたところで、私が子供のころには営業していなかった、市営の温泉施設「湯の国会館」でひと風呂浴びる。

 日が暮れる頃、路線バスで再び駅に戻り、家族と会食。夜が更ける。


■追憶といで湯

 翌日。

 昼過ぎに家を出て、船原温泉に向かう。

 私の現在の実家は修善寺温泉のはずれにあるのだが、この地に越してきたのは小学校5年生の時。それ以前は、修善寺よりもはるかに山奥にある、上船原新田という集落に住んでいた。

 船原という集落は温泉地としてそれなりに歴史があり、往時は文豪・川端康成も訪れたという。私が子供のころは、その後、ホテルニュージャパン火災で有名になった横井某が経営する「船原ホテル」があり、ここの純金風呂はそれなりに有名であったかと思う。隣接する場所には「船原館」という湯宿があり、こちらは現在も営業をしている。

 この「船原」という集落は、まがりなりにも温泉地であり、当時も今も、旅館や民宿など数軒の宿があって、山奥とはいえそれなりにひと気がある。しかし、私が住んでいた「船原新田」という集落は、この温泉街からさらに峠に向かって2キロほど上った場所に、数えるほどの農家が点在する、さながら『八墓村』のような集落だ(笑)。

 今日はまず、路線バスでこの「船原新田」に向かい、散策したあと、船原温泉でひと風呂浴びようという計画としてみた。

 かつては「コナラ地蔵」という名前だったバス停で下車。

 バスを降り、田んぼのあぜ道を歩いて、山の中腹にある「山神社」へ向かった。この神社には、よく父や母におまいりに連れていってもらったものだ。

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▲山の神社だから「山神社」(笑)。記録によれば、創建は寛永年間以前だとか

 神社から国道へ降り、かつての我が家へ。

 親父はここで食堂を営んでいたのだが、転居後、その店は青果店になり、現在は閉店し、事実上廃墟となっている。しかし、店の看板の一部は、30年前の姿をとどめていた。私はここで、5歳から11歳まで過ごした。なつかしいものである。

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▲看板にかかれた屋号は、当時のままだ


 1時間ほど集落をうろうろ歩き回り、ここから30分ほど歩いて船原温泉へ。

 かつての船原ホテルを改装した日帰り温泉施設「湯治場ほたる」で、ひと風呂あびる。こちらの風呂は、ちょっとしたプールほどの大きさで、渓流に面した半露天となる。金曜とはいえ、観光シーズンでもないので、入浴客は私も含めて4人ほどしかいない。

 たっぷり身体をあたため、大広間でうとうとすればもう夕暮れ。

 ほんの2泊3日の旅では、「心の旅」も慌しいものだ。

 明日は姪っ子の顔でも見て、東京に帰るとしよう・・・。

 (了) 
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