夏休みの図書-『世界の謎と恐怖』/(書評)
- 2014/08/01(Fri) -
 夏になると必ず思い出すのは、小学校3年の夏休みに修善寺駅前にあるN倉書店二階の児童書籍売り場で買った、『世界の謎と恐怖』という本だ・・・。


 当時、昭和50年代前半というのは、昭和40年代後半に始まり、結果として後のオウム事件にまでつながるオカルトブームの真っ只中であった。

 夏休みともなれば、子供たちは「あなたの知らない世界」の再現ドラマに震え上がり、「ルックルクこんにちは」(だったと思う・・・)のオカルト特集で、人間の生き血で描かれた掛け軸の首の絵の目が開く事件に大騒ぎとなった。

 夜になれば、CXの時代劇スペシャルでは怪談系時代劇が毎週放映され、あるいはまだ人間国宝になる前の一龍斎貞水先生の語る「真景累ケ淵」を涙目になりながら聞いたものである。

 そんなオカルトブーム全盛期に読んだ本が、『世界の謎と恐怖』であった。

 あれから幾年月。

 ネッシーもモケーレ・ムベンベも、月の人面岩も人体自然発火も、お岩さんの呪いもノストラダムスの大予言も、みんなガセだと知ってしまい、かつての夢いっぱいの少年は、世の中を斜めに見る、限りなく唯物論者に近い不可知論者の大人になってしまった。

 そこで、少し童心を折り戻そうと、37年ぶりに『世界の謎と恐怖』を買ってみた。

 ちょっと前までは、こうしたニッチな古書は、神田・神保町あたりで気合を入れて探さないと見つからないものだったが、いまやネットの「日本の古本屋」で検索をかければ、1秒もかからずに販売書店がずらっと示され、キーボードをぽちっとするだけで、2~3日後には料金代引きで古書が手元に届くのである。

 便利な時代になったもんだねえ・・・。

1408_表紙
▲この表紙! あまりにも鮮明に記憶に刻まれていたものだ。忍び寄る自縛霊!? そして恐怖の地底人! ああ、昭和だなあ・・・


イラスト140731_135826
▲本書収載のエピソードの中で、当時の私が最も好きだった「悪魔のおどる島」のイラスト。地底人に遭遇した探検家の図


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▲1968(昭和43)年の初版発行から4年で14刷というのだから、かなり売れたんだねえ。なにより、筆者はあの伝説の空手家・真樹日佐夫先生であることに注目!


 この本を開いて、呪いのダイヤや踊る棺おけ、ツタンカーメンの呪いやアマゾンの大蛇の話に胸躍らせていたのは、もう40年近く前のことだ。

 古書特有のしみ臭い匂いが、不思議に懐かしい。昭和は遠くなりにけり・・・。

 (おしまい)
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