引き足による打剣/(手裏剣術)
- 2014/09/13(Sat) -
 手裏剣術の稽古において、稽古者が剣術や抜刀術にある程度熟達していない場合、引き足による打剣で難渋することが少なくない。

 ありていに言えば、剣術や抜刀術で、引き足による斬りや、その場での体の変換(空手道で言うところの、スイッチステップですな)を十分に稽古していないと、手裏剣を引き足で打とうとしても、どうしても手打ちになり、へっぴり腰の腑抜けた打剣になりがちなのだ。

 やっとうの稽古では、足を引きながら斬る、あるいは瞬間的に前後の足を踏み変えながら斬るというのは、特段、珍しい動きではない。

 そして剣術や抜刀術においては、こうした運足ができることで、間積りの運用がより幅広くなるわけで、手裏剣術者とて、それができるにこしたことはないのである。

 しかし、これまで指導してきた経験上、どうも手裏剣の打剣動作そのもので、こうした「引き足」や「体の変換」を習得させるのは難しく、刀や木太刀を使った動作で修練をさせるほうが、気・剣・体が一致した、統一力のある引き足の打剣動作が習得しやすいように思う。

 なお、ここで注意したいのは、剣術や抜刀術にせよ、手裏剣術にしても、「引き足」による斬りや打剣は、間合いを切って逃げながら打つ(斬る)といった、矮小な意味での体の運用ではないということである。

 足を引く、あるいは瞬間的に体を入れかえるというのは、単に間合いを切って距離をとるといった、表面的な意味ではない。

 斬撃にしても打剣にしても、引き足や体の変換は、至近の間合からより早く、より効果的に斬る、あるいは打つためのアグレッシブな体動であり運足であることを、十分に理解しておかなければならない。

 引き足による打剣や斬りが、撃剣における苦し紛れの引き面や引き小手のような、陳腐な技になってはならないのである。

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 (了)
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