両手打ちと順体の打剣/(手裏剣術)
- 2009/03/10(Tue) -
 昨年から利き手ではない方の、左手打ちの稽古を続けてきたが、ようやく長剣使用の場合、3間で何とか(ヒョロヒョロながら・・・)刺中するようになってきた。

 武技として考えると、3間では到底使い物にならぬような非力なレベルなのだが、踏み込んで2間ならば、なんとかぎりぎり、実用に耐える程度の威力はある。

 このため、先週からは、

1 3間から自然体で構え
2 右足を一歩踏み込み、右上段打ち
3 さらに左足を一歩踏み込み、左上段打ち

 という両手打ちの連続技を稽古に組み入れた。

 両手打ちができるというのは、手裏剣術者としては非常に大きなアドバンテージとなる。しかし、実際に武技として通用する程度の威力・速度・精度・距離を担保した、両手打ちができる手裏剣術家は、はたして日本に何人いるのか?

 さらに、単なる手裏剣打ちではなく、そこに間合や拍子、位、十分な対人攻防の経験をもち、それらの経験知を術に反映できる者となると・・・、数えるほどもいるのかどうか? 手裏剣は打てるが、武術・武道の素養が非常に欠けている人も少なくないのである、この世界は。

 ”武術としての手裏剣術”を練成するためには、少なくとも居合・抜刀術や剣術、あるいは体術の素養が必要である。また、自由攻防の十分な経験(地稽古や試合)も必須だ。競技武道の弊害を考慮したとしても、最低限、十分な地稽古の経験が重要である。

 ももちろん、”武術として”でない手裏剣術であれば、こうした素養がなくても、それはそれでかまわないのは、言うまでもない。

 こうした点も踏まえ、さらに両手打ちも練成していかねばと思う。


 ところで、両手打ちをするようになって、順体の打剣についての知見が、これまで以上に深まった。

 なにしろ、利き手でない腕での打剣ということで、十分な威力や速度を保持するためには、どうしても全身の力(動き)の統一・統合が必須であり、そのためには、現時点の感覚では、順体(剣を打つ腕と踏み出す足が同じ体側)の打剣がもっとも効率的なように思える。

 また、先日、合気道の有段者に打剣を指導した際、逆体よりも順体での打剣が、より上達が早かったということも、上記の知見の根拠になっている。


 現在、なんとなく逆体での打剣(左足を踏み出して、右手で打つ)が手裏剣のオーソドックスのようになっているわけだが、心月流や知新流の伝書などを読むと、そこで解説されている打剣姿勢はどうも順体が基本のようである。

 また真鋭流では、順体に構え、逆体に踏み出して打つという、独特な体動を行うという。

 こう考えると、逆体に構え、逆体で打つのが、必ずしもベーシックとは言えないと考えても過言ではない。

 考えてみれば、順体の動きの方が、日本武術・武道ではそもそも一般的かつ基本的な体動であるわけで、そういう意味でも、「ベーシックな打剣フォーム」が、必ずしも逆体ではないと考えられる。

 このあたり、古流の手裏剣術関連の伝書をさらに数多く読み込めばいろいろ考察できるのだろうが、残念ながら私の手元には、限られた資料しかない。

 せめて『日本武道体系 第七巻 槍術・薙刀術・棒術・鎖鎌術・手裏剣術 (1982年)』くらいは、目を通しておきたいのだが、なにしろ古本でもこの巻だけで4万円以上もするのである!

 結局は国立国会図書館にいくしかないのだが、あそこは日曜休みなのだ・・・。

 ま、そのうち読む機会もあるだろう。

 (了)
スポンサーサイト
この記事のURL | 手裏剣術 | ▲ top
| メイン |