「事故防止」その後~模擬刀の折損/(武術・武道)
- 2014/09/25(Thu) -
 3ヶ月ほど前に本ブログで、当庵のAさんの居合刀(模擬刀)がどうも撓る様に見えるので、今後の使用には注意をするように指導した、という記事を書いた。

■事故防止(2014.5.5)
http://saitamagyoda.blog87.fc2.com/blog-entry-569.html

 そして先週、稽古に来たAさんから、自宅での稽古中、刀が折れたという報告を受けた。庭で抜刀術の形稽古をしていたところ、真っ向正面斬りの際にハバキ元から折れてしまったという。

折れた居合刀40920_150529


 幸い、自宅での一人稽古中であり、稽古していた場所も家族のいない庭だっただけに、事故がなく本当によかったと思う。

 真剣に比べると、模擬刀は刀身の強度に問題があるのは周知の通りだが、たとえば私の所持している模擬刀の一口は高校生の時に旧師からいただいたもので、もう30年近くも使っているが折損などはしていないし、その兆候もない。

 ま、私があまり稽古をしてないので、ダメージが少ないのかもしれないが(苦笑)。

ハバキ部分140920_150543


 Aさんの模擬刀は、刀身のハバキに納まる部分のちょうど真ん中あたりで折れていた。

 斬り下しの際、ハバキ部分から折れた刀身は、目の前の地面に叩きつけられたという。これがたとえば演武などで、目の前に多数の人がいるような状況、あるいは稽古場で周囲に他の稽古者がいるような状況でなかったのは幸いであった。

切断面140920_150602


 先の「事故防止」という記事にも書いてある通り、稽古中、私がAさんの刀に「違和感」を感じたのは、いささか不自然な、しかしごくわずかな撓りであった。

 こうした「微妙な兆候」というのは、ともすれば見逃してしまいがちなものだ。しかし武術・武道をたしなむ者であれば、己の五感で感じた「気配」や「直感」を軽視すべきではない。

 たとえばそれが杞憂であったとしても、自分と他者の安全を担保するという意味で、常に慎重に対処をするべきである。「最悪事態への想定・対処能力」は、武人に必須の資質なのだ。

 武具というものは、道具そのものに人を傷つけ命を奪う殺傷力がある。

 だからこそ武具を扱う武芸の指導者たるもの、安全管理については取り越し苦労と笑われるぐらいが丁度よいし、指導者、生徒を問わず、そういう意識と緊張感のない者は武具に触れるべきではない。

 (了)
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