『ドラゴンへの道』と手裏剣/(手裏剣術)
- 2014/10/02(Thu) -
 なんとなしにケーブルテレビを見ていたら、ブルース・リーの『ドラゴンへの道』がやっていた。

 懐かしい・・・、ノラ・ミャオも(爆)。

 おそらく20年ぶりくらいに見た。ま、幼少の頃は、私も多くの武芸・格闘好き少年の例にたがわず、『燃えよドラゴン』や『ドラゴン危機一髪』などを、目を輝かして見たものである。

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▲チャック・ノリスも若いのう・・・


 作品中、リー演じる主人公のタン・ロンは、ギャングの拳銃に対抗するために、中国版の手裏剣である「飛ヒョウ(金偏に票)」を使う。

 なにしろ映画なので、その威力や命中率は誇大にデフォルメされているのであるが、やはり手裏剣屋としては興味深い。

 呉伯焔著『点穴・練功・薬功』(ベースボール・マガジン社/昭和63年)によれば、中国武術における飛ヒョウは、晋(西暦280~420年)の時代の記録に、すでに記載されているという。

 「もともとは宮中での遊戯より発達したものと言われているが、戦場においてはもっぱら敵の軍馬に投擲し、馬上の敵を撹乱させるのに使われた。後に対人用(その大半は近距離での護身用)として様々な研究がなされその多くは毒薬を併用してその効果を高めた」とのことである。

 同書の解説をみると、飛ヒョウはダガータイプの剣型の手裏剣で、まず的から三歩(約一間)の距離で稽古をはじめ、上達するごとに距離を広げ、約5年で24歩(八間)の距離まで伸ばすという。

 打ち方は逆体で、剣を構える位置は側頭部、打剣のための一連の動作は、根岸流の基本型である「卍字」と非常によく似ている。

 
 映画の中で、ブルース・リーは、飛ヒョウを左右の手で打つ。いわゆる両手打ちである。素手の体術と手裏剣術を併用する場合、両手打ちはたいへん有効かつ重要な技術だといえよう。

 一方で、抜刀術や剣術と手裏剣術を併用する場合、操刀上左手は、たとえば帯刀状態であれば必ず鍔元を抑えていなければならず、また抜刀している状態でもより強力な打剣のためには、(右利きの場合)左手に打刀を持ち右手で手裏剣を打たねばならない(例:三心刀)。

 こうした点から、剣術・抜刀術と手裏剣術との組み合わせにおいては、手裏剣の両手打ちはあまり重視されない。実際、古流の手裏剣術の代表とも言える知新流の伝書を見ると、多本打ちや脇差・小太刀を手裏剣に打つ飛刀術などについての記述があるのに比べ、両手打ち=左手打ちについての記述は見当たらない。

 ゆえに当庵の稽古でも、これまで手裏剣の両手打ち=左手での打剣の稽古は重視してこなかった。

 しかしながら、手裏剣術者であれば、どちらの手でも手裏剣が打てるにこしたことはないし、体術との連動という点では両手打ちは必須の技術でもあるので、両手打ち=左手での打剣の鍛錬は、個人的な今後の課題としたい。


 ところで、グーグルで「ドラゴンへの道 手裏剣」というキーワードで検索をかけると、妙な写真がいっぱい出てくる。半分くらいは忍者だ(笑)。

 そういえば、某武術雑誌の今月の特集は忍者だそうな・・・(-_-)

 みんな忍者好きなんだねえ、呵々。

 (了)
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