最近の偽医療や反医療・デマ・陰謀論について思うこと(その3)/(医療・福祉)
- 2014/10/14(Tue) -
■「江戸っ子大虐殺」という、笑えない陰謀論

~島国の人間は、どこも同じことで、とにかくその日のことよりほかは目につかなくって、五年十年さきはまるで暗やみ同様だ。それもひっきょう、度量が狭くって、思慮に余裕がないからのことだよ。~(勝海舟の言葉/氷川清話より)


 ちょっと前、公共広告機構のCMで、「江戸しぐさ」というのが取り上げられ、広く知られるようになった。

 私も、「ふ~ん・・・」と思っていた記憶がある。

 ところが最近、「江戸しぐさの正体 教育をむしばむ偽りの伝統 (星海社新書) 」原田 実 (著)という本が出版された(http://www.amazon.co.jp/%E6%B1%9F%E6%88%B8%E3%81%97%E3%81%90%E3%81%95%E3%81%AE%E6%AD%A3%E4%BD%93-%E6%95%99%E8%82%B2%E3%82%92%E3%82%80%E3%81%97%E3%81%B0%E3%82%80%E5%81%BD%E3%82%8A%E3%81%AE%E4%BC%9D%E7%B5%B1-%E6%98%9F%E6%B5%B7%E7%A4%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E5%8E%9F%E7%94%B0-%E5%AE%9F/dp/4061385550/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1413257664&sr=8-1&keywords=%E6%B1%9F%E6%88%B8%E3%81%97%E3%81%90%E3%81%95%E3%81%AE%E6%AD%A3%E4%BD%93)。

江戸しぐさ
▲最近のトンデモ話解明本としては秀逸な一冊


 いや実に面白い。ちょっと長いが、アマゾンから本書の内容紹介の一文を引用すると、

 「江戸しぐさ」とは、現実逃避から生まれた架空の伝統である。
 本書は、「江戸しぐさ」を徹底的に検証したものだ。「江戸しぐさ」は、そのネーミングとは裏腹に、1980年代に芝三光という反骨の知識人によって生み出されたものである。そのため、そこで述べられるマナーは、実際の江戸時代の風俗からかけ離れたものとなっている。芝の没後に繰り広げられた越川禮子を中心とする普及活動、桐山勝の助力による「NPO法人設立」を経て、現在では教育現場で道徳教育の教材として用いられるまでになってしまった。しかし、「江戸しぐさ」は偽史であり、オカルトであり、現実逃避の産物として生み出されたものである。我々は、偽りを子供たちに教えないためにも、「江戸しぐさ」の正体を見極めねばならないのだ。


 とのことである。

 さらに情報の質はあまりよくないかもしれないが、ウィキペディアで「江戸しぐさ」という項目を見てみると、

「江戸時代における江戸しぐさの実在を示す史料が未発見であることは、「特定非営利活動法人江戸しぐさ」理事長である越川禮子自身も認めている」

 とのこと。さらに爆笑なのは、

「江戸開城の時、『江戸講』のネットワークを恐れた新政府軍が江戸しぐさの伝承を失わせ、江戸しぐさの伝承者である江戸っ子たちを虐殺した。その虐殺たるや凄まじいもので、ソンミ村虐殺、ウンデット・ニーの虐殺に匹敵するほどの血が流れたと越川禮子は述べている。また、この時に江戸商人は江戸しぐさについて書かれた古文書も全て焼却し、江戸の空を焦がしたという。勝海舟は生き残った江戸っ子数万を両国から武蔵、上総などに逃がし、彼らは『隠れ江戸っ子』として潜伏した。池田整治は、江戸しぐさ伝承者は、老若男女にかかわらず、わかった時点で新政府軍の武士たちに斬り殺され、維新以降もこの殺戮は続いたと述べている」

 そうな・・・・。

 幕末に、江戸っ子大虐殺があり、維新後、隠れ江戸っ子たちが潜伏していたとは!(爆笑)。 

 こんな爆笑カルトの語るデマが、いまや道徳教育の教材として一部の学校で本当に使われているというのだから、草葉の陰で新島襄が泣いていることであろう。

 世にトンデモの種は尽きず・・・。

 (つづく)
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