レクイエム/(身辺雑記)
- 2015/04/22(Wed) -
 今日未明、作家の船戸与一氏が亡くなったという。

 まだヒヨコだった頃、氏の『叛アメリカ史』や『猛き箱舟』、『砂のクロニクル』といった骨太のルポや小説を読んだことから私は従軍記者を志し、1996~1998年にかけて、クルディスタンを取材した。

 当時の中東地域は湾岸戦争とイラク戦争の間の戦間期であったが、トルコ領内を中心とした北クルディスタンでは、政府軍とゲリラとの間の紛争で、軍人やゲリラ、そして民間人も含め、数万人規模の犠牲者が出ていた。

ネブロズ1 修正
▲1996年3月、トルコ治安軍の武装ヘリに向けて無言で勝利のVサインを突き上げるクルドの人々


ネブロズ2 修正
▲ネヴロズの大祭で出会ったクルドの老人


ネブロズ3 修正
▲少年が頭に巻いているスカーフの色は、クルド民族独立の三色の旗を模しているという


 結果として、取材の成果はマイナーな新聞のグラビア記事に3回掲載されただけで、私は従軍記者としては芽が出なかった。

 しかしその後、紆余曲折をへて、医療や社会福祉を専門領域とした取材記者となった私の原点は、若き日のクルディスタンでの取材活動であり、ひいては船戸与一氏の作品群であった。


 偉大な作家の冥福を、心よりお祈りします。

 (了)
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