本物の業/(身辺雑記)
- 2015/05/22(Fri) -
 夕闇が深くなるまで、生業の原稿書きに追われた金曜日。

 仕事を終えた後、ヒラマサの刺身と新玉ネギの竜田揚げを肴に、太平山 神月を飲みながら、疲れきった脳髄を休める。

 BGMは、不世出の津軽三味線奏者・高橋竹山。

 竹山の三味線は、柔らかくまろみを持ちながら、絶対的な厳しい拒絶の音も合わせ持つ。それは、障害ゆえに門付けの最中に伴侶を陵辱されてしまったほどの怨念と、それほどの苦界をも乗り越えた人間としての力強さ、そしてなにより芸への執着があってこその、透明な音色である。




 これほど苛烈で、しかし澄み切った芸を、われわれ武辺の者は体現できるのだろうか。

 他者を殺伐する殺人刀から、天道の導きに沿った活人剣へ。

 柳生宗矩の至った境地は、私ごとき凡俗には遥か彼方だが、私なりに今世の活人剣を目指して精進していきたいと思う。


 ~負けて退く人を弱しと思うなよ 智恵の力の強き人なり~
 中山派柳剛流師範家 剣一世中山多七郎満足 道歌


 (了)
 
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