往きてまた還らず/(身辺雑記)
- 2015/05/26(Tue) -
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 この時期、旬の蚕豆は最高の肴だ。

 豆果付きのままざっと焼いた蚕豆をあてに、朱塗りの片口になみなみと注いだマッコリを味わいつつ漢詩を読む。

 郷愁に彩られた在りし日の記憶は、いつでも甘美なものだ・・・。
 

燕歌行 其二(曹丕)

別日何易会日難   別るる日は何ぞ易く会う日は難し
山川悠遠路漫漫   山川悠か遠く路は漫漫たり
鬱陶思君未敢言   鬱陶(むねふさ)がり君を思いて未だ敢えて言わず
寄声浮雲往不還   声を寄せるも浮雲往きてまた還らず
涕零雨面毀容顔   涕(なみだ)零(こぼ)れ面に雨(なが)れ容顔を毀つ
誰能懐憂独不歎   誰が能(よ)く憂を懐(いだ)き独(ひと)り歎かざる
展詩清歌聊自寛   詩を展べ清歌し聊(いささ)か自ら寛(ゆる)うす
楽往哀来摧肺肝   楽しみ往き哀しみ来りて肺肝を摧(くだ)く
耿耿伏枕不能眠   耿耿(こうこう)と枕に伏し眠ること能わず
披衣出戸歩東西   衣を披(かず)き戸を出でて東西に歩む
仰看星月観雲間   星月を仰ぎ看(み)て雲間を観(み)る
飛鶬晨鳴声可憐   飛鶬(ひそう)晨(あした)に鳴く声憐む可し
留連顧懐不能存   留連して顧み懐(おも)いて存ること能わず


 (了)
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