柳剛流の起請文/(柳剛流)
- 2015/06/24(Wed) -
 過日、幸手市剣道連盟の柳剛流稽古会を訪ねた際、幸手市立図書館に立ち寄った。

 そこで図書館収蔵の『幸手市史(近世資料編Ⅰ)』を確認したところ、柳剛流に関するいくつかの資料があった。

 なかでも、流祖・岡田惣右衛門奇良の直弟子で松田派柳剛流の剣一世である松田源吾義教が、天保8(1837)年に門人と交わした起請文は、初めて見るものであったのでここに掲載する。



   起証文之事
柳剛流剣術棒

一、 武術之儀は護国之
一、 具忠孝之緒互励心得可有事
一、 武者身を脩るの儀なけは聊も争心可有事なかれ、争心有者は必喧嘩口論に及へは亦刃傷に至らんも難計、武道を学人は心の和平なるを要とす、去は短気我儘なる人は却而武道を知らさるをよしとす、大抵人之行ひ正敷して其上に武有はよし、行い正しあらさる時武有は人をも害あるのみならず、己をも害する事出来者也
一、 他流を誹る事、なかき無益の雑談する事、なかき礼儀正敷可為脩行事
一、 武道は生死を瞬息の間に決するの業なれは其道決すれはあるべからす、法の委鋪は学の熟するにあれは、流儀に入者は其極に至し事を願ふべきもの也
右之条々於相背は梵天帝釈四天王総而日本国中六十余州大小之神祇、殊伊豆箱根両所権現、三嶋大明神、八幡武大神、天満大自在天神、摩利支尊天部類眷属神罰冥罰可蒙者也、仍而起証如件
  于時
天保七丙申年
                                     柳剛流元祖
                                           岡田惣右衛門尉
                                                  源奇良
                                                   松田源吾
                                                   良教 印
                                           松田門人
                                               綱嶋武右衛元治
                                               同 猪 古 馬
                                               堀江庄作
                                               岡村豊吉
                                               中嶋七蔵
                                               赤山畠之助
                                               綱島縵谷
                                               森谷八重蔵
                                               星野茂太郎
                                               星野平次郎
                                               利根沢源蔵
                                               真田継治郎
                                               鈴木満太良

                                                (綱島家文章)




 内容としては、古流一般によく見られるものであるが、本起請文が記されてから178年後の現在、流儀の末席にいる者としてたいへん興味深く、また襟を正して読ませていただいた。

 「武道を学人は心の和平なるを要とす」

 「武道は生死を瞬息の間に決するの業なれは其道決すれはあるべからす、法の委鋪は学の熟するにあれは、流儀に入者は其極に至し事を願ふべきもの也」

 など、いずれも万古不易の武の教えだとしみじみ思う。

 (了)
スポンサーサイト
この記事のURL | 柳剛流 | ▲ top
| メイン |