月と祈りの島々/(旅)
- 2015/08/02(Sun) -
 昨日まで、雑誌の取材で松島に行っていた。

 松島湾は月の名所として知られる。

 満月の夜、水面に浮かぶ島々の間から月が昇ると、はじめ海面のさざ波が金色に染まる。これを古の人々は「金波(キンパ)」と呼んだという。

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▲水面のさざ波に月光が反射して金色に染まる「金波」


 その後、中天に月が昇ると、水面の月影は銀色に変わる。これは「銀波(ギンパ)」と呼ばれた。

 この「金波」と「銀波」が、今回の旅行記のテーマである。

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▲松島の夜の海が銀色に染まる「銀波」


 最高のロケーションで眺めた松島の金波と銀波は、まさに時の流れを忘れるほどの絶景であった。その昔、芭蕉があまりの美しさに眠ることができなかったという月も、このようなものであっただろうか・・・。


 もう1つ、今回の松島取材で知ったのは、古来、松島は西方浄土をイメージさせる霊場であったということだ。

 今も時折、祈りと共に埋葬された往古の人骨が出土するという、信仰の島・雄島を日暮れ時に歩いた。

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▲雄島の崖に刻まれた、いつの時代のものとも知れない古い摩崖仏


 ひと気の絶えた島には、苔むした石仏やかつて行者が住み暮らしたという石窟、梵字を刻んだ板碑などが点在し、なにか凄愴な気配さえ感じさせる。

 よくある日本三景のひとつとしての松島ではなく、もう1つの顔にふれた旅であった・・・。


 なお今回の旅の詳細は、9月発売の雑誌『Discover Japan 』にて執筆・掲載予定である。

 (了)
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