『CAGLIOSTRO TAROT』/(身辺雑記)
- 2015/08/11(Tue) -
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 『CAGLIOSTRO TAROT』は、イタリアはトリエステに工場があるという、老舗のカードメーカーのモデアノ社が製造している。

 大アルカナはエジプト風の絵札、コートカードや小アルカナはトランプ風となる78枚のフルデッキだ。

 1995~2000年くらいまでは、かのアレクサンドリア木星王師の「魔女の家」で販売されていたが現在は絶版である。

 それほど人気のあるデッキではないと思うのだが(だから絶版なのだろう・・・)、私のような物好きが今更欲しがるからか、アマゾンで見ると、現在アメリカからの取り寄せで新品が8万円(!)、中古でも1万円以上する。

 もともと、このようなエジプト系のタロットはあまり好みではないのだが、占断における季節や日時を即断するという点で、このデッキは使いやすいかなと感じていた。

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 卜占において、日時の見立てというのはなかなか切実な問題で、たとえば「恋人ができますよ」という占断をすると、依頼人は必ず「それは、いつですか?」と質問してくる。ま、これは当然であろう。

 周易であれば、白蛾の定月会局や十二消長卦で月を割り出すなり、爻変の位置で週や日時を判断する、小成卦の日時への照応を見るなりして、比較的明確かつ具体的、即断的に時期や日時を導き出すことができる。

 一方でタロットの場合、年月や日時を導き出す方法が、しっかりと確立されていないのが泣き所だ。

 スプレッドの方法により、「近い過去」「遠い将来」など、ある程度の時期を示した位置に出るカードで判断することが一般的だろうが、ことに他者占において依頼人は具体的にいつ"それ”が起こるかを知りたいわけで、その疑問に即座かつ明確に答えられないようでは、占い師としてはまだ四流である。

 タロットによる日時の割り出しは、大雑把には小アルカナのスートごとの属性で季節や年月日などを見立てることができるし、占星術との照応によって10日前後の範囲内で時期を知ることができる。

 ただ、これらの照応をすべて暗記するのは私のような凡俗には到底無理なので、そのたびに手控えを参照しなければならないのは、結構面倒くさいものだ。

 この点で、 『CAGLIOSTRO TAROT』が便利なのは、大小アルカナそれぞれに当てはめられた日付が、カードに一目瞭然で示されていることだ。

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 大アルカナと月の照応は、たとえば19世紀フランスの隠秘主義者・パピュの指定とおおむね一致している。

 小アルカナと日の照応については、これは占星術との関連といっても人によってかなり当てはめる月と日にばらつきがあり、一概にこれが絶対という基準は見出せない。このため、占者がそれぞれ自分の基準を定めておくしかなかろうと思う。

 そういう意味でも、 『CAGLIOSTRO TAROT』は、カードにあらかじめ日付が割り当てられているので、ある意味割り切って占断しやすいといえよう。


 さて、この 『CAGLIOSTRO TAROT』、上記のように占断において年月日時の割り出し便利だなあとは思っていたものの、「絶対に手に入れたい」と思うほどのものでもなかった。

 おまけに絶版のため、冒頭に記したようなプレミア価格で取引されており、正直言って新品で8万円どころか、中古で1万円でも、あえて欲しいというほどのデッキではない。

 ところが先日、なに気にヤフオクを見ていたら、鴨せいろ2枚分ほどの値段で出品されており、しかも誰も入札していなかった! これはラッキーと思い早速入札すると、バトルになることもなく、当初入札価格で落札ができたというわけだ。

 手元に届いたカードは、思いのほか程度のよいものであった。一方でそもそもの紙質は悪く、ロ・スカラベオ社の製品などに比べると、正直粗悪とさえ思えてしまうものである。

 添付のブックレットは、米国の大手カード会社社長でタロット研究家としても名高い、スチェアート・キャプランによるものだ。ツラツラと目を通してみると、このデッキが最初に発行されたのは1912年とのこと。意外に古いのだね。

 手にとってみると、大アルカナがエジプト風の隠秘学的な絵札なのに対し、小アルカナはトランプ然とした実にそっけない絵柄であり、そのギャップがとても激しい。もともとまったく別の大アルカナと小アルカナを、むりくり組み合わせたのかと思えるほどだ。

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 タロットのエジプト起源説というのは、とうの昔に否定されているわけで、そういう意味で同じような系統のデッキを実占であえて使うのであれば、個人的にはエッティラ版の方が好みだなあというのが、実際にカードを手に取った上での正直な感想である・・・。


 ま、「コレクション」というほどではないけれど、趣味のデッキ集めの1つとしては、まずまず満足できるものであった。

 (おしまい)
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