『日本大百科全書(ニッポニカ)』の柳剛流/(柳剛流)
- 2015/11/06(Fri) -
 以前、本ブログにて「ウィキペディアの柳剛流」というタイトルで、記述の誤りや疑問点などを指摘した(http://saitamagyoda.blog87.fc2.com/blog-entry-741.html)。

 同様に、『日本大百科全書(ニッポニカ)』に掲載されている柳剛流の記述について指摘しておこう。なお参照した原文はwebで公開されている記事(https://kotobank.jp/word/%E6%9F%B3%E5%89%9B%E6%B5%81-1607116)である。


1)流祖の諱の読み方を「キリョウ」としている。
→森田栄先生は流祖の諱のヨミについて、石川家に伝わった伝書から「ヨリヨシと読むのが適当」としている。

2)流儀の武技のひとつとして、杖とは別に「棒術」を挙げている。
→総合武術である柳剛流は、剣術を基盤に居合・突杖・長刀・柔術が含まれているが、棒術があるというのは聞いたことがない。これまで確認できた角田系や武州系の伝書類にも棒術の記載は皆無であり、これは明確な誤りではなかろうか。

3)岡田十内を「2代目」としている。
→柳剛流の道統において、流祖から「岡田」の姓とともに2代目の名跡を受けたのは角田伝の祖となった一條左馬輔信忠である。そもそも岡田十内は流祖の高弟であった今井右膳の弟子であり、柳剛流剣士としては第三世代に当たる。


 以上、ざっと見て気になる点、誤りと思われる点をまとめた。

 なお、この記事の執筆者は「渡邉一郎」となっており、おそらく『幕末関東剣術英名録の研究』の著者として知られる、渡辺一郎先生であろうかと思う。

 著名な先達研究者の記事に対して、市井の実践者のひとりに過ぎない私が誤謬や疑問を指摘するのはおこがましいかもしれないが、特に上記の2)と3)については明確な誤りと思われるので、あえて指摘しておきたいと思った次第。

 (了)
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