風雪ながれ“武芸”旅、2015・冬/(武術・武道)
- 2015/12/07(Mon) -
 12月5日(土)~6日(日)の2日間は、毎年恒例となっている、戸山流居合抜刀術美濃羽会中津川稽古会と翠月庵との、合同稽古および合同忘年会、そして手裏剣術講習会を行った。


 午後3時、中津川に到着。早速、手裏剣術講習会を開催する。

 中津川稽古会の皆さんを対象にしての手裏剣術講習会は、2008年の9月以来、すでに20回以上となる。

 そこで今回は、8ミリ角/長さ20センチ/巻物なしのシンプルな角型棒手裏剣を使用。1間半~2間弱という実用間合で順体(歩み足)により、知新流手裏剣術で言うところの「板金を打つ心」での打剣を解説・指導し、受講者の皆さんいずれも非常に良い打剣を得ることができた。

 中津川稽古会代表のO先生も、「順体打法を取り入れたことで、各自目覚ましい上達が見られ、皆かなりの手応えがあったようです」と評してくれた。

 なかでも、まだ手裏剣術の稽古は2回目である女性剣士のAさんが、2間弱の間合で相当の速度=威力での打剣による刺中を得られたことは、指導する私にとっても改めて、順体による打剣の意義や有効性、剣術や抜刀術など日本武術に熟練した人への親和性の高さを実感することができ、貴重な知見となった。

151205_手裏剣講習会
▲1間半~2間という間合は、手裏剣術における「一足一刀の間合」である


 一般論として考えると、この間合で「板金を打つ心」での打剣ができることが、“武術としての手裏剣術”の最初の関門であり、これができるようになれば現代武道の段位的に表現すると、手裏剣術1級というところであろう。次いで、「やわらかに打ちて」(知新流印可伝書)3間直打ができるようになれば、手裏剣術初段・黒帯レベルだと考えればよい。

 なお、これは以前にも本ブログで記したかと思うが、根岸流手裏剣術の成瀬関次師はその著書の中で、10歩(約3間強)の間合で八寸的に6割以上の的中で、現代武道的に言えば錬士五段程度の業前であるとしている。その際の打剣は当然ながら、板金を打つ心=フルパワー・最速での打剣であることは言うまでもない。

 中津川稽古会の皆さんを対象にした手裏剣術講習会は、毎年春・夏・冬の3回行っている。

 限られた時間や回数の稽古ながら、皆さん着実に上達しており、ほとんどの受講者が上記の目安で言えば手裏剣術1級程度以上の業前になっていることは、手裏剣術の講師である私としても本当にうれしいことだ。

 今後も皆さんに、息長く楽しみながら精進してもらえればと思う。


 さて、講習会の後は、お待ちかねの合同忘年会。

 昨年および前回の納涼会の反省(日本酒を一升近く呑み、帰路の電車内で地獄のような二日酔いに苦しんだ・・・)を活かし、私はよい加減の量での飲酒に心がける。なべをつつき、杯を傾けながらの武術談義はなんと楽しいことか。


 翌日は、体育館に移動しての合同稽古。

 O先生の教導により、剣術の相対稽古が集中的に行われ、他流の私もその輪の中に加えていただく。若い剣士の皆さんと代わる代わる木太刀を交え打ち合うのは、私にとって最高のひと時だ。

151206_合同稽古
▲たっぷり剣術の稽古をした後の記念撮影


 ひとしきり稽古で汗を流した後は、O先生のご自宅にて、皆さんと一緒に熱々の釜揚げうどんでの昼食。たっぷり稽古をし、しかも私は奇跡的に二日酔いでない(!)ため、うどんを4杯もおかわりしてしまった。


 こうして酔いどれ流れ武芸者にとっての至福の時はあっというまに過ぎ、再び遠く武州までの帰路に着く。

 とりあえず熊楠でも読みながら、酒を片手にのんびりと我が草庵へ帰るとしよう。

151206_帰路
▲帰路の中津川駅にて


 (了)
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