突杖と秋猴の身/(柳剛流)
- 2015/12/21(Mon) -
 過日、水月塾本部の稽古にて、柳剛流突杖の稽古の際、2本目「ハズシ」の入身について、師より細かなご指摘をいただいた。

 この点を念頭に復習をしていたところ、改めて思ったのは杖の動きに囚われるのではなく、まず体を先に動かすということ。杖はむしろ、体の動きにしたがってついて来るべきであるということだ。

 そんな感覚で「ハズシ」はもちろん、「ハジキ」や「右留」、「左留」の形の復習をすると、想像以上に杖を動かす際の違和感が軽減されるように感じられた。

 稽古後、この感覚をもっと明確にしたいなと思い、書架の武道書をつらつらと眺めていたところ、『五輪書』水の巻の「しうこうの身という事」という一節が目に付いた。

 曰く、

一 しうこうの身といふ事。
 秋猴の身とは、手を出さぬ心なり。敵へ入身に少しも手を出す心なく、敵打つ前、身をはやく入るる心也。手を出さんと思へば、必ず身の遠のくものなるによつて、惣身をはやくうつり入るる心なり。手にてうけ合はするほどの間には、身も入りやすきもの也。能々吟味すべし。


 これはまさに、「ハズシ」の動きのコツそのものといっても過言ではない。

 また、「ハジキ」やその他の形でも、ついつい手先の動きで杖を使い打太刀の刀を張ろうとしがちになるのだが、そうではなくまず体幹から動き、それに杖の動きが追従するような心持ちだからこそ、先をとってくる打太刀の最速の斬撃にも、杖の受けが間に合うということなのであろう。

 「まず体幹から動く」というのは、ある意味、どのような武技でも共通の初歩的な体の使い方であるが、私の場合、どうも杖術には苦手意識があってか、ついつい手先でこねまわしてしまう風があるので、いっそう気をつけねばと再確認した次第である。

 (了)
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